ミスチル「君と重ねたモノローグ」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
「モノローグ」とは、舞台演技などでよく見られる、自分の考えや感情を一人で話すことです。アニメなどでもよく見られますよね。
となると、モノローグには相手はいないということなのですが、この曲のタイトルは「君と重ねたモノローグ」。“君”という相手がいます。
「君と重ねたモノローグ」とは、主人公(“僕”)が頭のなかで“君”に話した想いのことなのです。
大事な相手への想いを頭のなかや心のなかで話す内容は、実際に相手に話す内容よりも多いし濃いですよね。
歌詞をたどると、恋の歌よりも友情の歌に聞こえます。これは「Birthday」とともに主題歌として使われた「映画ドラえもん のび太の新恐竜」の影響を僕が受けてるのも多分にあります。
出会ったことで強くなれる。そんな相手と出会うことは、人生ではそんなに多くないでしょう。だから精一杯大事にしなければなりません。
この歌詞を聞いていると、僕もこれまでの人生を振り返ってしまいます。
歌詞の意味を深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
また会おう この道のどこかで
ありがとう この気持ち届くかな
果てしなく続くこの時間の中で
ほんの一瞬 たった一瞬
すれ違っただけだとしても
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
ちょっと切ない雰囲気の歌い出し。
これからこの曲の歌詞の物語がはじまっていくことを感じさせます。同時に、主人公はこの出会いに大きな感謝と寂しさを持っていることも伝わってきます。
また、この部分では「すれ違っただけだとしても」で終わっていますが、最後の歌詞ではこの続きの一文が加わっています。
僕を閉じ込めていたのは
他でもない僕自身だ
その悔しさと その希望に気付かせてくれたのは君
僕に翼はないけれど
今なら自由に飛べるよ
心の中 その大空を 君とどこまでも飛んで行こう
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
自分の世界とか枠というのは、得てして自分自身で決めつけてしまっているものです。
主人公は、“君”と出会ったことでそのことに気づいたと言っています。“君”のためなら自分の殻を破って行動できた出来事があったということでしょう。
自分で自分を閉じ込めていたところから飛び出した今では、飛び回るように自由に動けるようになった。だから“君”とどこまでも飛んで行きたい。
と言っていますが、「心の中」という一言があることから、現実には“君”は主人公のそばにいないことが読み取れます。
いつしか僕も歳を取り
手足が動かなくなっても
心はそっと君を抱きしめてる
いつまでも いつまでも
君の頭撫でながら
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
最初に聞いたとき、泣いてしまいそうになったフレーズです。
主人公の“君”への想いや慈しみの気持ちがあふれているのが伝わってきて、涙腺が緩んでしまいました。
こんなふうに思える相手と出会えることができたら幸せですよね。そしてこの歌詞にあるように、大事にしなければなりません。
鏡に映った自分の
嫌なとこばかりが見えるよ
恵まれてる 違う誰かと
比べてはいつも 諦めることだけが上手くなって
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
あんまり映画に引っ張られるのも僕のポリシーに反するのですが、この歌詞、どうしてもドラえもんの「のび太」を思い浮かべてしまいます。
すぐにドラえもんを頼ってしまうのび太ですが、ふと一人になったとき、こんなことを思うことがあるのかなと思うと、ここもまたちょっと泣けてきます。
うまくできる人と比べてしまい、「自分はなんてできないんだ」と感じること。これは誰にでもありますよね。
それでも前を向けたのは
君と重ねたモノローグが
孤独な夜を切り裂きながら この心強くするから
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
自分はできない奴だと思いながらも、それでも前向きになれたのは「君と重ねたモノローグ」のおかげだと言っています。ここで曲タイトルが登場しました。
“君”自体はいっしょにいないけど、“君”に向けた自分の想い(モノローグ)を重ねてきたことが、自分を励まし、前を向く力をくれたのだと主人公は感じているのです。
誰かに向けた想いは、まずはその想いを持った自分自身に届き、背中を押してくれるものなのかもしれません。
また会おう この道のどこかで
ありがとう この気持ち届くかな
果てしなく続くこの時間の中で
ほんの一瞬 たった一瞬
すれ違っただけだとしても
君は僕の永遠
<出典>君と重ねたモノローグ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
最後の歌詞です。
歌い出しの歌詞と同じですが、最後に一言付け足されています。
長い人生からすれば“君”といた時間は一瞬かもしれないけど、“君”の存在は僕にとって永遠。
それは、会えなくなった今もこれかも、心のなかの“君”に対して語りかけることができるから。そして、自分を前進させることができるから。
主人公はこんなふうに“君”と過ごしたときのことを大事に思っているのです。
歌詞の意味から学べること
大切な誰かに向けた想いは、まずはその想いを持った自分自身の背中を押してくれる。
上に書いた歌詞解釈のところから持ってきてしまいましたが、この歌詞を読むとそういうものではないかなと本当に思います。
自分の心のなかで語った想いは、自分にしか聞こえません。その語りを聞いた自分が、その影響を受けて変化する。考えてみると当たり前のことなのかもしれません。
この歌詞の主人公は、“君”という大事な人物に出会い、そして離れたことでこのことに気づきました。僕はこの主人公の気づきを教えてもらい、このことに気づきました。
まさに歌詞から人生を学んだ体験をさせてくれた、素敵な歌詞です。
▼「SOUNDTRACKS」の海外レコーディングを追った完全撮り下ろし写真集
▼こちらも「SOUNDTRACKS」の収録曲。ぜひ読んでみてください!
コメント
こちらにもコメント失礼します☺︎
この曲の、「君」はMr.Childrenの曲が耳をかすめただけの人、一時的にファンだった人、ずっと聴いてる人、これまでの聴衆1人1人全て、と解釈しました。売るために自分を閉じ込めたこともあった、聴いてくれる人がいたから孤独な暗闇も引き裂けた、桜井さんの体が動かなくなっても、歌は永遠に君を包み込めるように想いを込めておくよ、という意味にとれました。
ステージから見えた君、応援してくれた君、もてはやしただけの君、アンチだった君、全てが僕に影響があり僕の中の記憶として永遠、と読みました。
長い活動の苦悩と感謝、想いが述べられているように思え、泣けてしまいました。
この曲はタイアップがついてない曲なので桜井さんの自然な想いが書かれてるのかなー?なんて想像しながら聴きました♪
トマトさん、コメントありがとうございます!
この曲の「君」については、リスナーのことでもあるよなぁと、僕も考えること多いです。
なるほど、「もてはやしただけの君、アンチだった君」まで含めると、解釈もかなり深さが出ますね!