「PADDLE」の歌詞から学ぶ

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「PADDLE」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「PADDLE」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

何かやり遂げたいことがあるけれど、周りの環境や、実際にやり始めたあとの不安も正直ある。…それでも、漕ぎ出して行く。そんな意気込みと勢いが感じられる曲です。

僕の中では、自分を奮い立たせるための歌。くじけそうなときにまた起き上がる気力をくれる歌なんです。

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

ほんの束の間 胸の中に巻き起こる 風 風 風
「今しかないよな」って 呪文みたいに繰り返す
日常の下敷きになって 埋もれたモノを取り返すんだ
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

主人公には何か高い目標があり、そこに辿り着くための行動を起こそうとしているようです。

でも、いざやり出すタイミングに躊躇している。日常をただ送っていると、日常の延長線上にはない目標を目指すことはつい埋もれがちになってしまいます。

それでも時折、胸の中に風が吹くように「今やらなきゃ」と訴えてくる。この感じ、なんとなくわかります。僕もブログやこのようなサイトを作ろうと行動に移すまでには、このような感覚を経験しました。

 

「甘い夢だ」と誰かがほざいてたって
虎視眈々と準備をしてきた僕だから
きっとうまくやれる
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

周りにその目標を話したことがあるのでしょう。しかし、返ってきたリアクションは「そんなの甘い夢だ」というもの。

たいていこういうふうに返す人って、自分は何も行動したことがない人ですよね。誰か1人が違った行動をして、日常に縛られている自分たちの仲間から脱退するのを止めようとするんです。

その点、この主人公は周囲の人間からは頭ひとつ抜けています。そうして大きな目標を口にすることももちろん、ちゃんと自分なりに準備をしているようですからね。

 

新しい記号を探しに フラスコの中 飛び込んで
どんな化学変化を起こすか 軽くゆすってみよう
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

サビの歌詞です。とても印象的な歌詞ですよね。

主人公が大きなフラスコの中に飛び込んで小舟に乗って、オールで漕ぎ出すと同時に、もう一人の主人公がそのフラスコを持って小刻みにゆすっている。そんな映像が目に浮かんできます。

自分という材料をフラスコに入れる(自分が行動を起こす)ことで、自分にどんな変化が起こるか、主人公自身も測り切れないのだと思います。それを“化学変化”と表現するところがうまいですね。

 

もしかしたら今日は何も起こんないかも
でも 明日へとパドリング
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

そうなんですよ。新たな一歩を踏み出したとして、その日にすぐ何か変わったことや進展が起こるワケじゃないというのが、一番怖いし、不安になるポイントなんですよね。

むしろ、始めてすぐに何らかの変化や成果が起こることの方が稀でしょう。それでも、今日がダメなら明日の精神です。

今さらですが、「PADDLE」は漕ぐという英語。2番のサビの歌詞では、“高いデカイ波”、終わりのサビの歌詞では“荒れ狂う海原”というフレーズが出てきます。

社会の厳しい波と例えての表現ですね。その中を“漕いていく”という力強さに勇気をもらえます。

 

良い事があってこその笑顔じゃなくて
笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら
それが良い事の序章です
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

この歌詞がとっても好きです。

何か良い事があったから笑顔になるのは当たり前。誰でもできることです。

しかし、まず笑顔でいること。その姿勢で物事にあたることが、良い事を呼び寄せる。そんな考え方を持つことができるのはかなりの少数派。一握りです。

主人公は、圧倒的多数の周りの人間は「甘い夢」とあきらめてしまうようなことを目指していくのです。当たり前の誰でもできることをやるのではダメですよね。

例え主人公のような大きな目標まではなくても、まずは笑顔でいることから始めるという生き方ができる人を目指したいですよね。

 

皮肉で溢れた世界
不安と怒りの過渡期
見失わぬように進もう
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

続いてこの歌詞も好きです。

生きていれば、世界が皮肉に溢れていると感じるときもあります。そんな世界のなかで大きな目標を持って進むとなれば、不安も怒りも感じるでしょう。

それでも、自分の目指すものだけは見失わないように進もうという自分に向けたエールです。

この部分だけ歌詞から見える世界が暗くなりますが、そこから這い出そうする姿勢に、これまた背中を押されます。自分がこのようなマイナスな気持ちに支配されそうになったときは、このフレーズを思い出したいものです。

 

もしかしたらずっと何も起こんないかも
でも 永遠のパドリング
ただ ただ 明日へとパドリング
<出典>PADDLE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

そして締めの歌詞で最高に熱い言葉をいただきました。って感じの歌詞です。

なんと、ずっと何も起こらないかもしれないという可能性をすでに考慮しています。しかし、これは現実起こり得ることですよね。もしかしたら、行動したことでマイナスになってしまうこともあるかもしれない。

でも、それは最後にしかわからないことです。これはとても大事な事実です。

最後の最後まで、つまり、漕ぐのをやめてしまう日まで、最後は来ません。結果も決まりません。

だから、“永遠のパドリング”が大事なんです。ただただ、明日を目指して漕ぎ続けることができれば、目標に辿り着く可能性は少しずつ高くなっていきます。

たどり着くまで漕ぎ続ける。その途中でどんな失敗やマイナスなことがあっても関係ありません。最後に辿り着けば、成功なのですから。

ただし、漕ぎ続けるのはキツイです。だけどやめない。この意志を持つことができるかどうか。

実は、これだけが成功と不成功を分けているんです。成功の秘訣って、シンプルなことだということを気づかせてくれるうえに、漕ぎ続ける困難の乗り越え方も指南してくれる歌詞です。

 

学びの一言

どんな未来が待っているか(=どんな化学変化が起こるか)、あるいは起きないかは、実際に漕ぎ出してみたり、フラスコを振ってみないと分からない。そして、たどり着きたい目標があるのならば、たどり着くまで漕ぎ続ければいい。

一言じゃないですね。2つある…。でも、どちらも大事な学びだと思うんです。

僕にもそれなりに大きな目標があります。たどり着くまで漕ぎ続ける意志があるか。今のところ、答えは即答で「イエス」です。あと、頑張るあまり、笑顔でいることも忘れちゃいけませんね。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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