Mr.Children「車の中でかくれてキスをしよう」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
複雑な関係にありそうな男女がこの歌詞の物語の登場人物です。
ポイントは、この男女の間柄です。彼女が主人公と浮気をしていると捉えるのがシンプルなのでしょうが、この二人はまだ大学生、あるいは高校生と思えるくらい若いのではないかと感じます。(ただ、高校生は車に乗らないので、やはり大学生でしょうか)
なので、浮気というよりも恋人同士という間柄になるのがよくわからず、彼女の方が一歩引いているような関係なのではないかと思うのです。
一言で言うと“友達以上恋人未満”といったところでしょうか。それでも、限りなく恋人に近いという感じですね。
僕がこのように解釈する理由を説明しながら、深読みしていきたいと思います。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
もう二人は 子供じゃない だけど
いたずらに ただ 傷ついてくだけ
抱きしめても すり抜けてゆく君の
その心を 閉じ込めていたい
<出典>車の中でかくれてキスをしよう/Mr.Children 作詞:桜井和寿
歌い出しのこの部分の歌詞に、僕が“恋人未満ではあるけど、恋人に限りになく近い雰囲気”と解釈する理由があります。
二人は子どもじゃないということは、男と女の関係になれるほどには大人になっているということです。
でも、主人公は傷つくだけ。これは主人公の方は彼女と恋人の関係になりたいと思っているけど、彼女の方が一歩引いているからです。
思い切って彼女を抱きしめたりする主人公ですが、彼女の心はすり抜けてしまうということで、彼女の方は主人公の想いを真正面から受け止める気持ちはないことが読み取れます。
車の中で かくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
君は泣いてるの? それとも笑ってるの?
細い肩が震えてる
<出典>車の中でかくれてキスをしよう/Mr.Children 作詞:桜井和寿
前の歌詞で、抱きしめてもすり抜けてしまう彼女の心を閉じ込めたいという歌詞がありますが、心を閉じ込めるために取った主人公の行動がこの“キス”なのです。
抱きしめてもダメならキスだ。という感じですね。
これ、もう恋人同士なんじゃないか?と思いますが、“君”が泣いている可能性もあるというところから、やはり恋人同士とは思えないんです。
仮に恋人同士だった場合、彼女が泣く可能性としては、二人の関係がうまく行っていないというパターンです。しかし、それだとこの後の歌詞と矛盾してしまいます。
なので、抱きしめたりキスしたりはしちゃうけど、付き合うという約束は交わしていない関係なのだと僕は考えます。
だからこそ、車の中でかくれてキスをしようという気持ちになるのではないでしょうか。誰にも咎められることはないけれど、二人のなんとなくの感覚として、人目につくところではしづらいのだと思います。
誰もいない 月の浮かぶプールに
忍びこんで 波をたてる君
震えている 青ざめた唇を
僕に見せて 笑いころげてる
<出典>車の中でかくれてキスをしよう/Mr.Children 作詞:桜井和寿
ここでは仲良く楽しそうに夜のプールで遊ぶ二人の様子が描かれています。この歌詞から、恋人同士だけどうまく行っていない関係と考えるのは不自然です。
でも、主人公は彼女との関係に心を痛めている。ということから、やはり二人は仲は良いけど付き合っていない。ということになるのだと考えています。
そしてこの部分からは、二人は夜のプールに忍びこんでしまうような、そしてはしゃいで笑いころげてしまうような、大学生や高校生くらいの若い男女なのではないかと想像することができます。
車の中で かくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
疲れ果てたまま 眠りについた君を
いつまでも 見守ってる
<出典>車の中でかくれてキスをしよう/Mr.Children 作詞:桜井和寿
プールではしゃいだあと、車に戻って静かにキスを交わす二人。
彼女は夜にプールで遊んだためでしょう。眠ってしまいます。
そんな彼女を見つめて「いつまでも見守る」という気持ちになる主人公は、やはり彼女に恋心を持っています。
実体は限りなく恋人に近い間柄の二人。でも、付き合うという事実確認は彼女から取れないまま。
主人公は切ない気持ちにさいなまれながらも彼女と過ごす密かな時間を幸せに感じているのです。
学びの一言
キスをする男女にもいろんな間柄がある。
この歌詞の場合は、彼女が主人公の気持ちを受け止めきれないのが切ない関係のもとになってしまっています。
でも、キスはしてもいい関係なのですね。彼女の心の内はどんな状態なのでしょうか。
1つは、付き合うということがどういうことかわからず、躊躇してしまうという気持ちがあるというパターンでしょうかね。
そしてもう1つは、彼女には他に好きな相手がいるというパターンです。でも、彼女の想いは届いておらず、仲の良い主人公と親密な関係を続けている。ただ、主人公と付き合ってしまうとその本命の相手とは付き合えなくなってしまう。
この辺でしょうか。とにかく、男女の関係というは非常に複雑ということですね。僕にもほんの少しだけそんなことを実感した経験があったりしますが…。
決まったいくつかのパターンには収まりきらない部分が、男女問題には付きまとうものなのかもしれません。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
コメント
この曲は彼女がアカペラで一部歌ったのを聞いて原曲を聞いて深読みに辿り着きました。この歌の主人公達とつい、自分達の関係性を重ねて彼女が僕に何かメッセージをくれたんじゃないかと思って嬉しかったり悲しかったりしてます。(多分考えすぎ)ありがとうございます。
蒼の貴族改めDFさん、コメントありがとうございます。
とても素敵なエピソードで、僕も20代のときの恋愛を思い出してしまいました。
恋愛には嬉しいこと、悲しいこともありますが、その人としか味わえない経験があると思うので、ぜひぜひ全力で味わってほしいな、なんて思っちゃいました。