「ひびき」の歌詞から学ぶ

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「ひびき」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「ひびき」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

身近な生活のなかにはいろんな音の響きがあふれていて、この歌詞の主人公はそれらの響きに着目し、そこからさまざまことに思いを馳せています。

君の声からは幸せのありかを、クラッカーの音からは世界の悲劇を、そして「君が好きで」という自分の声からは切なさと愛しさを見つけ出しています。

響きとは鳴らした音が何かと反響し合って起こるもの。自分の発信した何かが、相手と響き合って日常の生活を作り上げたり、彩ったりしていくんだという世界観も描かれているように感じます。

 

 

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

タンデムシートに座って歌っている君の声が
背中越しに小さく響いてる
調子外れの下手くそな歌だけど
この声だ その響きだ 一番好きな音は
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

タンデムシートですから、主人公と“君”はバイクに乗っていることがわかります。

主人公の背中越しに聞こえてくる彼女の歌声が、この歌詞で主人公が最初に見つけた“ひびき”です。

 

見つからなかった探し物はポケットに入ってました。と
幸せなんかおそらくそんな感じでしょ!?って
君の声は教えてくれる
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

バイクの後ろの席から、背中越しに何気なく聞こえてきた“君”の声。それを聞き、主人公は“君”がとても身近で大事な人だということを改めて感じました。

人は誰しも幸せを探して生きているもの。ですが、ふとした瞬間にそれがとても近くにすでにあることに気づくことがあります。

意識して探してみると、当たり前と思っていること自体がかなり幸せなことだったりするものですよね。

 

去年の誕生日 クラッカーを鳴らして
破裂する喜びに酔いしれていたけど
外を歩いたら銃声が聞こえる
あの場所じゃ その音は 悲しげに響くだろうな
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

最初にこの曲を聞いたとき、ハッとさせられた歌詞でした。

お祝いのために鳴らすクラッカー。当然そこには笑顔や拍手が広がっているものと僕たちはイメージします。

しかし、戦争や内戦が日常的に起こっている場所では、クラッカーの破裂音は銃声を連想させる可能性もある。笑顔や拍手ではなく、涙や悲しみが広がる場所や場面もあるのだということに気づかされるフレーズです。

同じ響きでも、受け取り方は人や場所、場面によってガラリと変わってくるのです。

 

 

幸せなんか そこら中いっぱい落ちてるから
欲張らずに拾っていこう
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

これは冒頭の歌詞でのメッセージにも通ずる部分ですね。

無理して頑張ったり、欲張ったりして探さなくても、幸せというのものは近くにたくさんあるというメッセージです。

ポイントは「落ちてる」というところなのかなと思ったりします。視界には入っていても、気にかけて拾い上げないとその価値に気づけない。きっと幸せというのはそういうものなのです。

 

君が好きで 君が好きで 切なさはやって来るんだよ
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

印象的な「君が好きで」のフレーズとメロディー。ですが、やって来る感情は“切なさ”なんですね。

バイクに2人で乗ったり、誕生日を祝ったりというところから、主人公と“君”は付き合っている関係と見ていいのかなと思いますが、うまくいっていない部分もあったりするのでしょうか。

あるいは、これは僕の個人的経験ですが、付き合っている関係でも、相手のことが好き過ぎて無性に切なくなることもあるんですよね。「いつまでこの幸せは続くのかな」とか「永遠なんてものは絶対にないもんな」とか考えてしまうんですよね。

僕は、この主人公の“切なさ”はこれに近いものではないのかなと思ったりします。他の人でもそんなことを考えるのかはわかりませんが。

 

僕の世界はまたひとつ君と響き合って
風のように流れていく
川のように流れていく
<出典>ひびき/Mr.Children 作詞:桜井和寿

最後のフレーズです。とても終わりが良い歌詞だなと感じます。

“君”が好きで“切なさ”を感じてしまうこともあるけれど、主人公は決してネガティブではありません。自分の世界(考え方や生き方と捉えればいいと思います)と、“君”の世界が響き合って、反応し合って、そこで2人の世界が生まれていくというイメージを持っています。

そして、風や川のように、流れのままに身を委ねて、そのなかで見つけた幸せを享受して行こうと考えているのです。

 

学びの一言

幸せは遠くに探しに行くものではなく、足元に落ちているのを見つけて拾い上げること。

歌詞にある通りですし、先にも書いたことそのままです。しかしこれがこの歌詞から学ぶ最大のポイントだと思います。

これまでいろんな自己啓発本やビジネス書を読みましたが、「ないものを探すのではなく、すでにあるものを探せ」と書かれている本がなんと多いことか。でも、これはやっぱり正しいのかなと思います。

ないものを探しても何も始まらないけれど、すでにあるものを見つけることで自分にできることややるべきことが見つかったりします。

個人的な話で恐縮ですが、僕で言えば30歳で結婚できて、妻と子どもがいることはこれ以上ない幸せです。そして、家族みんなで安心して生活していけるようにするのが僕のやるべきこと。

この曲がリリースされたのは僕が大学生のとき。この曲を聞くそのときどきで、自分が持っている幸せが変わっているのがとてもおもしろく、感慨深いです。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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