「血の管」の歌詞から学ぶ

「血の管」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「血の管」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

3分ほどの短い曲。歌詞も3段落だけと短いです。

2段落までは「光る川面」「彩り」という言葉があり、明るさを感じる流れなのですが、最後の3段落目でふっと画面が暗くなります。「あの夜」という言葉の影響ですね。

別れた恋人を思い出す一場面を切り取った歌詞。短いながらもその心境がじんわりと伝わってきます。

「僕」や「私」という一人称が出てこないので、主人公が男性か女性かはっきりとはしません。「君」ではなく「あなた」という言葉が使われているため、主人公は女性なのかな?と思ったりもしますが、「柔肌」という言葉を考えると、やはり主人公は男性の設定ではないでしょうか。

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

川下の方で光る
水面 ぼんやり見てた
そっと目を閉じてみる
あなたを感じる
<出典>血の管/Mr.Children 作詞:桜井和寿

僕としては、川にかかる橋の上で、水面を眺めながらたそがれている人物を思い浮かべます。

そして目を閉じたことで、主人公の視界からは川面の光が遠ざかり、別れた“あなた”のことへと意識が切り替わっていきます。

 

彩りを増すばかり
愛しい日の面影
もどかしい程
心に降り積もる
<出典>血の管/Mr.Children 作詞:桜井和寿

キラキラと光る川面を見てから目を閉じたからでしょうか、思い出される“あなた”の姿は、明るく彩りに満ちた愛しい日々を過ごしたときの姿です。

しかし、それはもう過去のこと。別れてしまったのですから、付き合っていたころのような姿を主人公に見せることはもうないでしょう。

そのことを主人公自身もよくわかっています。だからこそ、愛しい思い出をどんどん思い返して降り積もっていくのがもどかしいのです。

 

柔肌の上に浮かぶ
血の管にくちづけた
あの夜を思いだす
独りを感じる
<出典>血の管/Mr.Children 作詞:桜井和寿

長く目を閉じていたのか、辺りが暗くなるまでそうしていたのか、主人公の思い浮かべる“あなた”との思い出が夜の場面に移ります。ちなみに、こうして夜の場面を思い出すところから、この別れは死別ではないと考えています。

肌に浮かぶ血管って、確かにセクシーですよね。他の人も同じことを言うのを聞いたことがあるので僕だけではないはず…。ちなみに、女性も男性の血管に対してセクシーさを感じる。というのも有名な話ですが、それでよかったでしょうか?

それはさておき、主人公の思い出はまたも自分を苦しめます。満たされた場面のことを思い返して浸っても、それはもう現実ではありません。そのギャップで独りであることをより強く感じてしまいます。

それでも、こういうきれいな場所での一人のたそがれってやってしまうんですよね。そんな主人公の姿と心境を思うと、切なさにしっとりと共感してしまいます。

 

学びの一言

切なくなることはわかっていても、別れた人とのきれいな思い出を忘れることはできない。

本当に好きだった相手との別れ。きれいな思い出は勝手に浮かんできてしまうものですよね。その気持ちに導かれて、きれいな景色の場所へと体が向かってしまう。

そしてきれいな場所に来てしまったら、いよいよ思い出をどんどん思い出すことになっていきます。個人的な経験上ではありますが、失恋ってこういうものではないでしょうか。むしろこれがないと、いつまでも忘れることができません。

思い出は過去のものだと、何度も自分自身で再確認してこそ、次へ進めるのだと思います。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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