Mr.Children「ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
それぞれの夢や希望を抱き、都会で暮らすとある男女。それがこの歌詞の物語の登場人物です。
運命とも思えた出会いによって、2人は結ばれます。完璧で揺るぎない愛だと信じていた2人ですが、男女問題はいつも面倒で複雑で・・・
完璧とも思われた愛は、少しずつ、しかし確実に崩れていってしまうのでした。
この2人の恋の顛末を「ありふれたLove Story」と呼び、客観的な視点で淡々と語っていく。そんな歌詞になっています。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
変わらぬ愛と信じきっていた二人
移りゆく季節を歩いてきた
若気の至りなんて他人は云う
ありふれた者同士の Love Story
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
「これから話す男女の話は、こんな話ですよ。まあ、ありふれた男と女のラブストーリーですね」というよな、物語の前振りのような役目を果たしています。
歌詞を全部知ったうえで読むと、この歌詞の物語をうまく総括していることがわかります。
そして恋は生まれた 運命の糸が操っているようにも思えた
愛は尽きる事ない 想いは揺るがない
そう信じてた
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
夢見た生活とは程遠い毎日を送るビジネスマンの彼。地方から都会に出て来たばかりで悪戦苦闘の毎日の彼女。
そんな2人がひょんなきっかけで出会い、恋が生まれました。
彼は恋を探していましたし、彼女の方も慣れない街で頼れる人、心許せる人を求めていたことでしょう。
そんな2人が出会った。まさに運命的です。そこから生まれた愛は間違いなく完璧なもの。
・・・そう信じてた。
最後のこの“そう信じてた”という一言、今後の良くない展開を予感させる役割をしっかり果たしています。
互いのプライバシーを尊重して
上手くバランス取ってるはずだった
でも人生とはいつも困難で
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
2人はただ愛し合ってラブラブいちゃいちゃしていれば完璧!と考えるような短絡的な人物ではなかったようです。
いっしょに暮していくには互いに一定のプライバシーを守る意識もちゃんと持っていました。
ラブラブ過ごす割合と、互いの自由な時間や交友関係を楽しむ割合とのバランスをうまく調整しようとしていたのです。
しかし人生とは、そんな単純なものではなく、誰にも先読みできないものです。
いつしか二人嫌なムード 啀み合うばかり
冷めてく想いを分かっているくせに
気付かぬ振りでやり過ごしている
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
何の運命のイタズラか。2人の仲は冷めてしまい、とげとげしいものになっていってしまいました。
しかし、いざ別れるという決断を下すのもおっくうで、気付かぬ振りで日常を消化している時期のようです。
こんな状態になってから、ふと出会ったころのことを思い出すと、あまりのギャップに自分ながら信じられなかったり、ちょっと引いてしまったり、あるいは当時を羨んでしまったり…。いろんな感情に襲われるんですよね。
「愛は消えたりしない 愛に勝るもんはない」なんて流行歌の戦略か?
そんじゃ何信じりゃいい? 「明日へ向かえ」なんていい気なもんだ
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
彼か彼女か、気持ちが八つ当たりムードになってしまっているようです。2人の関係のことなのに、広く世の中のことにケチをつけています。
まあ、恋とか愛が上手くいかないなんてときは、得てしてこういう心境になってしまうものですが。
混乱した愛情故に友情に戻れない
男女問題はいつも面倒だ
そして恋は途切れた
一切合切飲み込んで 未来へと進め
<出典>ありふれた Love Story ~男女問題はいつも面倒だ~/Mr.Children 作詞:桜井和寿
一度付き合ってから別れた男女は、いくら気が合う同士でも友情を築いていくのは難しいですよね。人生の酸いと甘いとを濃密に共有した仲なのですから。それはそうです。
このことも含めて、男女問題はいつも面倒だと総じています。
そうして恋は終わりを迎えました。しかし、そんな酸いと甘いの記憶や、男女問題は面倒だという事実も全部飲み込んで、この先へ進んでいけというエールを最後に送って歌詞は締めくくられています。
学びの一言
男女問題はとにかく面倒がつきまとう。このことをちゃんと分かっていて、それなりの対策をしていても、ダメになってしまうときはダメになってしまう。
この歌詞では、この事実を教えてくれます。そしてこんな事実があること自体が、まさに“面倒”なんですよね。
どうしてもっとスムーズに円満に済まないのか・・・。同性同士でもあるかもしれませんが、特に男女間、しかも恋だ愛だなんていう関係にはこの“面倒”がもれなくついてくるということなのですね。
出会いだけでなく、最後の結末までを含めてはじめて、“運命”というものが語れるのかもしれません。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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