「水上バス」の歌詞から学ぶ

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「水上バス」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「水上バス」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体からの意味解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

 

恋人同士だった2人が、流れる時間のなかですれ違いを重ね、別れてしまうストーリー。

しかし主人公の心からは彼女との想い出はなくならず、あの日と変わらぬ景色を見ている姿が切ないです。

水上バス、大きな川、自転車、新しいカフェ、夕陽。素敵な恋のエピソードにピッタリのワードが並んでいるのに、歌詞の終盤で別れてしまう2人。

主人公の切なさをリスナーも追体験してしまうほど、「どうして別れてしまったの!?」と思ってならない歌詞が胸に沁みます。

最後に川の流れに沿って自転車を走らせる主人公。その心の内を想像すると感動が止まらないストーリーです。

 

歌詞全文(引用)

買ったばかりのペダルを
息切らせて漕いでは桟橋へと向かう
深呼吸で吸い込んだ風は
少し石油の匂いがして
その大きな川に流れてた

君を待ってる 手持ち無沙汰に
ぼんやりした幸せが満ちてく
向こう岸から ゆるいスピードで
近づいてくる水飛沫は君かな?

水上バスの中から僕を見つけて
観光客に混じって笑って手を振る
そんな透き通った景色を
僕の全部で守りたいと思った

君乗せて漕ぐペダルにカーラジオなんてないから
僕が歌ってた
そのメロディーに忍ばせて
いとしさの全部を
風に棚引かせて歌ってた

「この間偶然見つけたんだよ
新しいカフェ きっと気に入るよ」
君と過ごす日のことをいつでも
シミュレートしてこの街で暮らしてるんだ

夕日が窓際の僕らに注ぎ
君は更に綺麗な影を身につける
君への思いが暴れだす
狂おしいほど抱きしめたいと思った

川の流れのように
愛は時に荒れ狂ってお互いの足をすくいはじめる
僕が悪いんじゃない でも君のせいじゃない
「さよなら」を選んだ君はおそらく正しい

悲しみが満ちてく
僕は待ってる 今日も待ってる
想い出の中に心を浸して

水上バスの中から僕を見つけて
観光客に混じって笑って手を振る
そんな穏やかな景色を巻き戻すように
川の流れに沿って
ひとりペダルを漕いで

<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

 

 

歌詞の意味を深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

買ったばかりのペダルを
息切らせて漕いでは桟橋へと向かう
深呼吸で吸い込んだ風は
少し石油の匂いがして
その大きな川に流れてた
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

歌い出しの歌詞です。

川と桟橋、そして自転車を漕ぐ主人公。息を切らせて自転車のペダルをこぐ様子からは、いきいきとしたような、キラキラした物語の始まりを感じます。

しかし、初めて聴くと「石油の匂い」って何だろう?という違和感を持ちますよね。

この違和感、「石油の匂い」の意味がわかるのはもうちょっとだけ後になります。

 

君を待ってる 手持ち無沙汰に
ぼんやりした幸せが満ちてく
向こう岸から ゆるいスピードで
近づいてくる水飛沫は君かな?
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

このフレーズを読むと、主人公は“君”なる人物を待っていることがわかります。

手持ち無沙汰なんだけど「ぼんやりとした幸せ」に満たされている主人公の心の中。このことから、“君”とは主人公の恋人なのだろうと想像できます。

しかし、「向こう岸からゆるいスピードで近づいてくる」しかも「水飛沫」が“君”であるという表現。これにもまた違和感を持つところですよね。

 

水上バスの中から僕を見つけて
観光客に混じって笑って手を振る
そんな透き通った景色を
僕の全部で守りたいと思った
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

サビの歌詞です。このフレーズを読むと、これまでの違和感の謎がキレイに解けます。

“君”、つまり主人公の恋人は、水上バスの添乗員さんだったのです。

「石油の匂い」や「水飛沫」は、この水上バスのもの。タイトルも「水上バス」なのですが、やっぱりここまで歌詞を読まないとハッキリとはわからないところです。

岸の方にいる人たちに向かって手を振る観光客。このやり取りは“多対多”なのですが、そのなかには“君”と主人公との“1対1”のやり取りが密かに存在しているという、なんとも微笑ましい一場面。

そんな素敵な景色だからこそ、主人公は自分の全部で守りたいと思っているんですよね。

 

 

君乗せて漕ぐペダルにカーラジオなんてないから
僕が歌ってた
そのメロディーに忍ばせて
いとしさの全部を
風に棚引かせて歌ってた
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

2番の歌詞に入ります。

主人公の自転車には、今度は“君”も一緒に乗っています。

もちろん自転車にカーラジオはありません。だから主人公が歌っているワケなんですが、その歌に“君”への“いとしさ”を乗せて歌っていたんだと話しています。

僕の勝手な妄想ですが、きっと爽やかなラブソングなのでしょうね。もう、めっちゃラブラブじゃないですか。

 

「この間偶然見つけたんだよ
新しいカフェ きっと気に入るよ」
君と過ごす日のことをいつでも
シミュレートしてこの街で暮らしてるんだ
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

このフレーズも、恋する男(女性もかもですが)には結構あるあるではないでしょうか。

一人で歩いていた街中で、新しいカフェを見つけた主人公。そんなちょっとしたことでも「ここに彼女を連れてきたら喜ぶだろうな」なんて考えてしまいます。

続く歌詞で触れているとおり、主人公はいつでも“君”と過ごすときのことを考えて生きているのです。

その姿がとても微笑ましく、ちょっと羨ましくも感じます。もう、めっちゃラブラブじゃないですか。

 

夕日が窓際の僕らに注ぎ
君は更に綺麗な影を身につける
君への思いが暴れだす
狂おしいほど抱きしめたいと思った
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

個人的に勝手に確信を持っているのですが、この「窓際」とはさっきの「新しいカフェ」の店内に2人でいることを指す言葉ではないかと思います。

シミュレートどおり、主人公は“君”をこのカフェに連れてくることができたようです。

時間は夕方。綺麗な夕日が彼女に当たり、その反対側には“君”の影がくっきりと浮かぶ。そんなちょっとしたことでも、彼女への愛が暴れ出してしまう主人公。

もう、めっちゃラブラブじゃないですか。

 

川の流れのように
愛は時に荒れ狂ってお互いの足をすくいはじめる
僕が悪いんじゃない でも君のせいじゃない
「さよなら」を選んだ君はおそらく正しい
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

しかし、ここで歌詞の物語は急展開してしまいます。2人は「さよなら」の選択をし、別れてしまうのです。

突然の展開に、リスナーは「え!?なんで!!」という気持ちでいっぱいにさせられます。

詳しい原因は書かれていません。しかし、この歌詞からは、愛が強いゆえにお互いの気持ちがすれ違っていってしまったのかな、と推察することができます。

“「さよなら」を選んだ君はおそらく正しい”と、“君”の選択を受け止める主人公。その姿勢と、内心で持っている大きな悲しみを想像すると泣けてきます。

ラブラブなシーンが描かれてきただけに、リスナーも本当に悲しくなる場面です。これは、主人公の悲しみをリスナーが追体験してしまうよう、桜井さんが歌詞に仕込んだ仕掛けではないかと思えます。

 

 

悲しみが満ちてく
僕は待ってる 今日も待ってる
想い出の中に心を浸して
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

“君”と別れてしまい、悲しみに暮れる主人公。

そんな主人公は「今日も待ってる」と言っています。何を待っているのか…2通り考えられますよね。

  1. 彼女が乗っているであろう水上バスが通るのを待っている。
  2. 彼女とまたやり直せるときを待っている。

あるいはその両方か。

僕の解釈では1かなと思っています。「恐らく正しい」と認めた彼女の答えを、ひるがえすような主人公ではない気がするからです。

彼女が乗っているいるであろう水上バスが通って、そこで“岸の方にいる人”の1人になれば、彼女とまた笑顔で手を振り合えるかもしれない。

そんなことを考えて、今日もこの川へやって来ているのではないかと思うのです。

 

水上バスの中から僕を見つけて
観光客に混じって笑って手を振る
そんな穏やかな景色を巻き戻すように
川の流れに沿って
ひとりペダルを漕いで
<出典>水上バス/Mr.Children 作詞:桜井和寿

主人公が「僕の全部で守りたいと思った」景色。

彼女と別れてしまった今、その景色を思い返しながら、主人公は川に沿って自転車を走らせます。

ここで僕の個人的な感動ポイントがあるんです。

主人公は、「川の流れに沿って」走っています。過去の思い出を思い返すには、川の流れに「逆らって」走りたくなるものではないでしょうか。

しかし、主人公は「沿って」走っているのです。これは、主人公が時間の流れや、自然の摂理、そして彼女の気持ちの変化をすべて受け入れて、認めているということの表れではないでしょうか。

悲しいけれど、“流れ”を受け入れて、これからも生きてく。そんな主人公の“強さ”を感じてしまうのです。

 

歌詞の意味からの学び

時間の流れ、物事や人の心の移り変わり。それらを受け止めつつ、愛すべきものを愛して生きたい。

この歌詞の主人公は、深読みの最後にも書いたように、物事の移ろいを受け止めています。

でも、その一方で彼女と過ごした思い出の景色は大事にしています。

自分が愛するものは、いつでも自分の思い通りにはならない。それを知りながらも、今の自分が愛したいもの、愛すべきものに愛を傾ける。

そんな懐の深さと、愛情の深さを持ち合わせた男でありたいものです。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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すいじょうばす

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