Mr.Children「星になれたら」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
大事な人と離れる決断をした主人公。でもそれは、いつかその大事な人に語った夢を実現したかったから。
というのがこの歌詞の物語のはじまりであり、テーマです。
たぶん、主人公にとって今のままの状態も悪くはなかったのでしょう。大事な“君”もそばにいることですし。
でも、やっぱり夢を捨てきれなかったのです。また、“君”にその夢を語ったとき、恐らく“君”も主人公が夢を叶えることの背中を押したのでしょう。
語った夢はこのとき約束に近いものになったのです。この約束を果たしたうえで、また“君”と笑顔で会いたい。
そんな意志の強い律儀な主人公の心境が綴られた歌詞です。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
何度も耳をふさいでは ごまかしてばかりいたよ
だけど 今度はちょっと違うんだ 昨日の僕とは
<出典>星になれたら/Mr.Children 作詞:桜井和寿
何から耳をふさいでいたのか。それは、「夢を追わなくていいのか?」という自分の心の底からの声です。
悪くはない現状に甘んじて生きることも、主人公には大いに選択できたワケですね。
しかし、ついに今日、昨日までの自分を振り切って夢を追う決心をつけた。このフレーズは、主人公が自分に言い聞かせているフレーズなのでしょう。
さようなら 会えなくなるけど さみしくなんかないよ
そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るから
動き出した僕の夢 高い山越えて
星になれたらいいな
<出典>星になれたら/Mr.Children 作詞:桜井和寿
1番のサビの歌詞です。
夢を追うためには“君”と離れなくてはならない状況なのですね。東京に行く、とかそんな感じでしょうか。
でも、必ず夢を叶えて戻ってくるから、そのときには2人で笑える日が来る!これが主人公のモチベーションであり、心の支えになっていることが伝わってきます。
高い山という言葉が出てくるところをみると、その夢は主人公にとって簡単なものではなく、高い目標なのでしょう。
もしかしたら主人公が決断して出て行ったのは夜なのかもしれませんね。空を見ると星が輝いていた…。それで「星になれたら」と思ったのではないでしょうか。
何かに つまずいた時は 空に手をかざしてみよう
この風は どこかで君と つながってるから
<出典>星になれたら/Mr.Children 作詞:桜井和寿
このフレーズ、主人公の繊細な心境が読み取れる、とても上手なフレーズです。
つまずいたとき、不安に襲われたときなどには、やっぱり“君”を感じたいんですよね。心の支えを持っているというのは、人にとってすごく強みになるものです。
「空」や「風」という言葉も、「星」や「虹」という言葉と雰囲気が似通っていて、世界観が統一されているように感じます。
呼んでる声がする
だけど帰りたくない
笑われるのにも 慣れた
<出典>星になれたら/Mr.Children 作詞:桜井和寿
呼んでいるのは前の歌詞からしてやはり“君”でしょうか。
主人公は心のなかで、やっぱり辞めて帰ってしまいたいという気持ちと、そんなみっともないことできないという気持ちが葛藤していることがわかります。
笑われるのは、まわりの人間に、ということでしょう。壮大な夢を追うにはスタートが遅すぎると言われたことが過去にあるのです。
しかし、それにももう慣れたから、このまま夢を追う道を進むという意志をここで固めています。
長く助走をとった方が より遠くに 飛べるって聞いた
そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るはず
<出典>星になれたら/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この部分の歌詞を聞くと、最初にこの曲を聞いたのは大学生だったなぁと思い出します。当時の僕にとってそのくらい印象深いフレーズでした。
うまく行くまでの期間が長くなってしまってもいいんだ。むしろその方が遠くまで行けると、ポジティブに捉えているのがいいですね。
学びの一言
スタートに出遅れても、心が「飛びたい」と言っているなら今からでも助走を始めるべき。
何かを始めようとするとき、「今からではもう遅い」という考えはどうしても頭をよぎるもの。
でもそんな考えのほとんどは、始めないで諦めるための言い訳です。
本当にやりたいことならば、始めるのに遅すぎるということはないはずです。残りの人生で一番若いのは今なのですから。
僕もこれを自分への戒めとして、何かを成し遂げたい、やってみたいと思うことはまず取りかかってみることを忘れないで生きたいと思います。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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