「進化論」の歌詞から学ぶ

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「進化論」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「進化論」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

自分の命というものがどんな意味を持つのか。毎日の生活を送るなかで、こんなことを考えることはあまり多くないかもしれません。

この曲のテーマはまさにそこで、自分という存在が以降の世代にどんな影響をもたらすのか。という観点から自分の命の意味を考えています。

もちろん、自分自身で何代も先の子孫のことを見ることはできませんから、これは空想に過ぎません。それでも、自分の生き方次第で後の世代に何か残せるものがあると信じたら、生き方の意識が変わってきます。

人生で大事なのは、何を信じて生きるかということです。何を信じたうえでどんな生き方をするのか。これが自分の人生を決めていくのだと思います。

 

 

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

この世界に生まれ持って携えた使命が
もしあるとしたら それはどんなものだろう?
大それたものでは きっとないな
だからと言って どうでもいいことじゃ寂しい気もする
<出典>進化論/Mr.Children 作詞:桜井和寿

自分の生まれた意味を考えてみると、僕もちょうどこんな気持ちになります。多くの人がこのような気持ちになるのではないでしょうか。

別に大企業の社長の息子として生まれてきたワケでもなく、有名な社会活動家の家に生まれたワケでもない。でも、生まれてきたからには、やっぱり何かこの命の使い道=“使命”がほしい。

でもそれは、誰かに与えられるものではなく自分で見つけるものなのだと思います。この歌詞の主人公もそのことをわかっていて、使命を探すためにあれこれと悩んだ末、「進化論」の考え方にまで行き着いたのだと思います。

 

進化論では首の長い動物は
生存競争の為にそのフォルムを変えてきたと言う
「強く望む」ことが世代を超えて
いつしか形になるなら この命も無駄じゃない
<出典>進化論/Mr.Children 作詞:桜井和寿

そして主人公は、「自分のあとの世代に何かを残せれば、それがこの命の意味なんじゃないか?」という考えにたどり着きました。

進化論のなかには、ある個体の望みや願いがそのあとの世代に影響するという考え方があります。

かつて首の長くない動物は、「もっと高い所の草を食べられれば、必要な食料を確保できるのになぁ」と望みました。その望みは、いくつかの世代を超えて叶えられ、首が長い動物が誕生しました。

ここで主人公が言いたいのは、いくつかの世代のどこか1つの世代でも欠けてしまったら、首の長い動物は誕生しなかったということです。つまり、自分がちゃんと存在して生き抜かないと、祖先からの望みは途絶えてしまうということです。

また、自分自身が何かを強く望むことも必要だと考えています。この部分がこの歌詞の核になってきています。

 

 

変わらないことがあるとすれば
皆 変わってくってことじゃないかな?
描かずに消した 読まずに伏せた
夢をもう一度広げよう
<出典>進化論/Mr.Children 作詞:桜井和寿

このフレーズは名言だと思います。

人はみんな変わっていきますよね。外見も内面も、周りの環境も。

それが真実なんだと分かっていながらも、先の「強く望むことがのちの世代に影響する」という考えから、主人公は自分がすっかり変わってしまう前に、あきらめかけていた夢をもう一度取り上げてみようという気持ちになったのです。

あれこれと生き方や今後何を目指していくのかということをきっとグルグルと考えていた主人公。ここでやっと1つの道筋らしきものを見つけます。

 

空を飛び 月を歩き それでも自然に脅かされる
すべて受け入れて 見果てぬ夢を 素敵な夢を
君と見ていたい
今日も廻ってる あぁ この世界 愛しき世界
君と明日も廻していこう
<出典>進化論/Mr.Children 作詞:桜井和寿

人間は空を飛ぶこともできるようになったし、月に行くこともできるようになりました。

それでも地球の自然には勝てず、例えば大きな災害があればどうなるか分かったものではありません。だからこそ、夢に描くことがあるのなら、大事な人(ここで言う“君”のこと)といっしょに追っていきたい。そんな心境が書かれています。

人は望みを持ち、そしてみんな変わっていく。それこそが「今日も世界は廻ってる」ということなのです。

この廻る世界で“君”と生きて行きたい。主人公の一番大きな夢であり望みは、この一言に集約されるのですね。主人公自身も、この最後のフレーズでそのことに気がついたのでしょう。

 

学びの一言

自分の命はあとの世代に望みや夢を渡して行く役割もある。一緒に生きて生きたい人がいるなら、それも大事な夢になり得る。

一緒に生きて行きたい人とは、もしかしたら次の世代をつくるかもしれません。このパターンだとまさしく「望みが次の世代につながる」ということになります。

さて、このように書くと、結婚しない生き方を否定しているように思われるかもしれませんが、それは違います。

結婚しない生き方を望む人は、それに従えばいいと思います。例えば僕は結婚して子どももいますが、僕はたまたまそういう人生を望んでおり、その望みのとおり生きてきただけです。

次の世代というのは、血縁の世代とは限りません。仕事上でも次の世代って表現はしますよね。結婚しなくても、次の世代に夢を渡すことはできると僕は考えます。

また、次世代に夢を渡すという生き方も絶対的なものではありません。自分がしたいことを自分の思うようにして一生を終えて行きたいという考え方も全然ありです。その人はすでに生き方の希望を持っているわけですから。

生きる希望を見失ったときには、自分の命は次の世代につなげる役割も持っていることを思い出せればそれでいいのです。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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