Mr.Children「my life」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
失恋を嘆くと同時に、「自分の人生なんて所詮こんなもの」と、どこか開き直っているような様子が浮かぶこの曲。
でも、真っ暗な感じになって落ち込んでしまうより、このくらいの気持ちでいる方がいいですよね。失恋のハートブレイク加減はともかく「前向きにこれからもやっていくしかないな」と考えられている感じがどこかで救われるのではないかと感じます。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
62円の値打ちしかないの?
僕のラブレター読んだのなら
返事ぐらいくれてもいいのに
<出典>my life/Mr.Children 作詞:桜井和寿
62円というのは、この曲が作られた当時の定形郵便の料金です。封筒に手紙を入れて送るときにかかるお金ですね。
今では62円だとハガキしか送れません。現在、定形の封書は82円かかります。「ラブレターというものを本当に手紙で送る」という時代感がうかがえますよね。
しかし、このラブレターは一方通行で相手からの返事は来ません。124円、186円、248円と、手紙のやり取りが続けば値打ちはどんどん増えていくはずだったのですが、ずっと62円のまま。
これ、主人公が送った相手は絶対中身読んでますよね。普通に開けると思いますから。それでも返事が来ないというのは、確かに切ない気持ちでいっぱいになります。
ちょっぴりうぬぼれてた僕も ついにフラれた
いい事ばかある訳ないよ
それでこそ my life
<出典>my life/Mr.Children 作詞:桜井和寿
サビの歌詞です。
この歌詞を知ったとき、「そういう考え方もありだなぁ」と心から感じたことを思い出します。
ネガティブ思考と言えばそうなんですけど、救われるものがあるんですよね。全部うまくいかないといけない!って思って過ごすのはしんどいですからね。
「いくつかいいことがあれば1つくらい悪いことがあるもんだろ」くらいに普段から思っている方が楽と言いますか。
二年前の失恋では
“二度と恋などしたくない”って言ってたのに
こんなありさまさ Woo
<出典>my life/Mr.Children 作詞:桜井和寿
主人公は二年前も失恋をしている模様です。しかも、「二度と恋はしたくない」と思うくらいに手痛い失恋だったのです。
僕も何度も失恋の経験がありますが、確かにあのツラさは何にも例えられないですよね。胸をえぐられて、自分ではどうにもすることができないあの気持ち…
しかし、時が経てば、そして“恋は落ちるもの”。ついうっかり、足を滑らせて恋のど真ん中に落ちてしまった。主人公はそんな自分を「こんなありさま」と嘆いていますが、今回の片想いの恋を後悔してはいない感もどこか伝わってきます。
訳もなく人恋しい夜は
君がここにいてくれりゃ So nice
テレビゲームに胸のうちをあかせば I miss you so
<出典>my life/Mr.Children 作詞:桜井和寿
彼女がすぐそばにいてくれれば最高!…それはそうですよね。
これは完全に主人公の妄想なのか、それとも付き合ってはいなくても、いっしょに遊んだりしたことはあったのでしょうか。
どちらにしても、そんな人恋しい思いを抱えている心とは裏腹に、部屋に閉じこもってテレビゲームをしているという状況。切ないのですが、どこか哀愁が漂ってかわいらしい気もします。
雨に打たれ 風に吹かれ 波に飲まれても
うぬぼれたり 落ち込んだり おだて上げられて
ドラマみたいな上手い話は めったにないけれど
それでも my life
<出典>my life/Mr.Children 作詞:桜井和寿
最後の歌詞です。
今うまくいっていないことがある人にとって、このフレーズは最高の励ましになります。僕も何度もふとこの曲を聞いたとき、このフレーズに救われました。
人生、うまくいくときとうまくいかないときの繰り返しです。素晴らしい才能や多額の資産や、恵まれた容姿もない自分に、そんなうまくいくことばかりの人生は巡ってこない。そんなふうに思っておくとやはり気楽ですし、うまくいかないことに対しても前向きに取り組むことができます。
学びの一言
うまくいかないことがあっても、「それでこそオレだ」と受け止め、自分の人生に向き合うこと。
この主人公は、なんだかんだポジティブなのだと思います。自分の人生を大事にしていますもんね。
悪いことやうまくいかないことも含めて自分の人生であると懐を深く持っているのです。
「それでこそ my life」このフレーズはどんなおまじないよりも自分を自分で認めてあげることができるパワーのある言葉ですよね。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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