Mr.Children「ロード・アイ・ミス・ユー」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体からの意味解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
曲名の「Lord,I miss you」は直訳で「ああ、君がいなくて寂しい」という意味になります。「Lord」は文の最初に持ってくると、「ああ!」や「おお…」など感嘆詞の意味合いを持つそうです。(参考:https://ejje.weblio.jp/content/lord)
曲のタイトルが表すとおり、この曲は失恋ソングです。
主人公のもとを出ていってしまった“君”。しかし主人公は、“君”と過ごした日々や瞬間を簡単に忘れることはできません(フラれた側はそういうものですよね…)。
「受話器ごしの声」「この胸のRain drops」「映画のように溢れてくる」という詩的な言葉が主人公の心情をリスナーの心に滲ませます。
歌詞全文(引用)
あの日からずっと 気が付いていたんだ
今まで何も 聞かずにいたけど途切れた受話器ごしの声
最後の言葉を探して
さよならだね 引き止めても
君は出ていく抱きしめた あの夜は もう二度と戻らない
Lord,I miss you I’m waiting on your love壊れそうなほど 切ない想い
この胸のRain drops まだ降り止まないあの頃のままの笑顔が
映画のように溢れてくる
何もかもが 想い出の中へ
消えた今でも抱きしめた あの夜に もう二度と戻れない
Lord,I miss you I’m waiting on your love微笑みも 優しさも 色褪せてにじんでく
I want is you I’m waiting on your love抱きしめた あの夜は もう二度と戻らない
Lord,I miss you I’m waiting on your love<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
歌詞の意味を深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
あの日からずっと 気が付いていたんだ
今まで何も 聞かずにいたけど
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
歌い出しの歌詞です。
何に気がついていたのかは、あとの歌詞を読めばわかるとおり、彼女の心の変化のこと。自分への気持ちが少しずつ、でも確実に離れていっているのを、主人公は感じ取っていたのですね。
「あの日から」という言葉から、“君”の心が離れていることを感じさせる決定的な瞬間や出来事があったことも予想できます。
今まで何も聞かずにいたのは、これは男らしさでしょうか。たぶん、違いますよね。シンプルに聞くのが怖かったのでしょう。彼女を問い詰めた瞬間、2人の関係は壊れてしまうことを主人公は恐れていたのです。
なのに、さも「男らしさ」のように言っているところが、主人公の心情をとてもリアルに現しています。
途切れた受話器ごしの声
最後の言葉を探して
さよならだね 引き止めても
君は出ていく
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この電話は“別れの電話”です。主人公と“君”の最後のやり取りは電話だったのですね。
受話器から聞こえる“君”の声が途切れ、次に“君”の口から出るのは、おそらく「最後の言葉」。
主人公はそこで「もう引き止めてもダメだ。“君”は去っていってしまう」と悟ります。
抱きしめた あの夜は もう二度と戻らない
Lord,I miss you I’m waiting on your love
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
サビの歌詞です。
主人公は“君”と愛し合った夜の思い出を蘇らせています。
歌詞全体の解釈でも触れたとおり「Lord,I miss you」は「ああ、君がいなくて寂しい」という意味。
そして「I’m waiting on your love」は、意訳すると「“君”との思い出の上で待っている」という意味合いになると解釈しています。
「your love」はそのままだと「“君”の愛」ですが、残念ながら“君”の愛はもうありません。あるのは主人公の記憶のなかにだけ。つまり、「主人公の記憶のなかの“君”の愛」のことになるのです。
“君”を愛し、“君”に愛された記憶、思い出。それにずっと触れたまま、僕は“君”が戻ってくることを待っているのです。
壊れそうなほど 切ない想い
この胸のRain drops まだ降り止まない
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
主人公の切ない胸の内を表したフレーズ。
「Rain drops」は「雨粒」の意味。「この胸の」なので、涙のことを指しています。オシャレで詩的な表現ですよね。
このアルバム「EVERYTHING 」は1992年のリリース。桜井さんは1970年生まれ。作詞したタイミングを思うと20歳そこそこですよね。感性と表現力に感心してしまいます。
あの頃のままの笑顔が
映画のように溢れてくる
何もかもが 想い出の中へ
消えた今でも
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
つらい失恋を経験したことのある方なら、この主人公の気持ちがよくわかるのではないでしょうか。
やっぱり好きだった相手を想い出すときに浮かんでくるのは笑顔、ですよね。
映画のさまざまなシーンのように、さまざまな場面でいっしょに過ごした“君”の笑顔が浮かんでくる。これはきっと、古今東西共通の失恋あるあるですよね。
微笑みも 優しさも 色褪せてにじんでく
I want is you I’m waiting on your love
抱きしめた あの夜は もう二度と戻らない
Lord,I miss you I’m waiting on your love
<出典>ロード・アイ・ミス・ユー/Mr.Children 作詞:桜井和寿
最後の歌詞です。
1つ前に抜粋した歌詞では、「あの頃のままの笑顔」と言っていたのですが、ここでは“微笑みも色褪せていく”と言っています。
いくら好きな相手だろうと、記憶は薄れていってしまうもの。それはつらいことのような、救いのような、難しいところですよね。
「I want is you」は「私はあなたが欲しい」という意味になります。「寂しい」と訴える「Lord,I miss you」と少しニュアンスが異なり、主人公の胸には“君”を取り巻くさまざまな感情が今でも巻き起こっていることが伝わってきます。
歌詞の意味からの学び
「君がいなくて寂しい」という想いは本当につらい。いつまでも胸を締めつけ、ほどけるには時間が経つのを待つしかない。
なぜこんなにも失恋ってつらいのでしょうね。人間の恋とか愛という感情は、偉大な感情だと知ってはいますが、同時に本当に罪な感情だと思います。
傷ついた心が戻るには相応の時間がかかるものです。その間、想っていた相手のことを思い、胸は締めつけられ、つらい思いを味わうことになります。
でも、個人的な観点から言うと、そういう経験を過去にしている人って、すごく優しくて懐の深い人です。あまり多くない友人を見て言っているので、たくさんの人を見て言っているわけではないのですが。
きっと、他人の心の痛みがわかるんですよね。失恋で傷ついたダメージは、本当につらいもの。それを知っているから、人に優しくできる。
この歌詞の主人公にも(もしかして失恋のつらさの中にいるあなたにも)、そういう懐の深い人になって、傷ついた人を癒せる人になってもらえたらと無責任にも思います。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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