Mr.Children「口がすべって」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
人間の本質を語りながら、平和を祈って書かれた歌詞だと解釈しています。
歌詞を順に読んでいくと、「わかるわかる」と思わずうなずいてしまうフレーズばかりです。
身近な人との喧嘩から始まり、世界に残る紛争にも言及しています。
でも、最後には許し合う力を持っている人間という生き物を信じたいという思いが書かれています。
戦争のことや平和のことを語ることも多いミスチルの曲の歌詞ですが、この曲も桜井さんの平和や人間への想いが織り込まれていると感じられますよね。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
口がすべって君を怒らせた
でも間違ってないから謝りたくなかった
分かってる それが悪いとこ
それが僕の悪いとこ
<出典>口がすべって/Mr.Children 作詞:桜井和寿
これはあるあるすよね。僕も妻との間でよくあります。
でもポイントなのは、「間違ってない」と思っているのは自分だけということなんですよね。
相手も相手で「間違ってない」と思っているのです。
怒りなどネガティブな感情は、自分のことしか考えられなくなりがちなのが注意点なのです。
思い通りに動かない君という物体を
なだめすかして 甘い言葉かけて 持ち上げていく
もう一人の僕がその姿を見て嘆いてるんだよ
育んできたのは「優しさ」だけじゃないから。。。
<出典>口がすべって/Mr.Children 作詞:桜井和寿
これもすごく共感度の高いフレーズではないでしょうか。
親しい関係の人でも、自分ではない人を動かすのはすごく難しいことです。
そこで自分が下手に出たり、必要以上に相手に甘い態度でお願いする。
でも、親しい大切な人だからこそ、大切なことや自分が絶対に譲れない部分についてはしっかりと意見を主張することが大事になってきます。
優しさだけがいいコミュニケーションではないということですね。ときには厳しく接することが本当の愛であることだってあります。
争い続ける 血が流れている
民族をめぐる紛争を 新聞は報じてる
分かってる 「難しいですね」で
片付くほど簡単じゃないことも
<出典>口がすべって/Mr.Children 作詞:桜井和寿
話は、今もどこかの国で起きている紛争の話になります。
急に話が変わったように感じるようですが、そんなことはありません。
親しい人との間で起きるトラブルは、国同士の間にも起こっているんだということを示しているのです。
誰もがみんな大事なものを抱きしめてる
人それぞれの価値観 幸せ 生き方がある
「他人の気持ちになって考えろ」と言われてはきたけど
想像を超えて 心は理解しがたいもの
<出典>口がすべって/Mr.Children 作詞:桜井和寿
これもまた納得のフレーズです。
他人の気持ちになって考えることは、本当に難しいものです。どうしても自分というフィルターがかかってしまいます。
でも、それってどうしようもないことではないでしょうか。人は、自分を通してでしか世の中を見れません。
他人の気持ちを100%理解できるなんてことはないワケです。必ずズレが生まれます。
だから、大事なのは「他人の気持ちを言い当てること」ではなく、「他人の気持ちになってみた」という事実をワンステップ踏んだということなのです。
100%当てることはできなくても、そのワンステップがとてもとても尊いものなのです。
このワンステップが踏める人は信頼できる人です。必ずいい人間関係と人望に溢れているはずです。
口がすべって君を怒らせた
でもいつの間にやら また笑って暮らしてる
分かったろう
僕らは許し合う力も持って生まれてるよ
ひとまず そういうことにしておこう
それが人間の良いとこ
<出典>口がすべって/Mr.Children 作詞:桜井和寿
最後の歌詞です。優しい気持ちにさせられる言葉ですよね。
口がすべっても、価値観がすれ違っても、それで喧嘩してしまっても、許し合うことも人間にはできる。
このことを、喧嘩した瞬間に思い出せる人はそういませんよね。だから、この歌詞を知っている僕たちはすごくラッキーなのです。
すぐには無理でも、「ちゃんと許し合えるはずだ」と信じることができれば、すでにその一歩を踏み出しています。そうすれば、大事にはならないでしょう。
人間の良いとこを、しっかりと活用していかないといけませんよね。せっかく備わっているのだから。
学びの一言
人間は許し合う力を持って生まれている。
もうそのままストレートにこれだと思います。
この言葉、この事実を知っている人が1人でも増えたら、世の中は平和になるのではないでしょうか。
もっと自分を、もっと他人を、もっと人間を信じてみる勇気を持ってみようかな。この歌詞を聞くとそんなふうに考えます。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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