Mr.Children「光の射す方へ」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
歌詞のなかから見えてくる主人公は、かなり尖ったところのある男。
社会人になってからの重荷、思ってたんと違う感じだった女、信用していいのか分からない誘い、信用できるはずもないマスコミ…
こんなものに囲まれていたら、尖ってないと自分を保つことができないのもわかります。
しかし、この主人公の本当の姿はもっとピュアです。そして、自分の存在が小さなものだという意識も持って悩んみつつも、目標を定めてそこに進んでいこうともがいています。
僕がこのように解釈する理由を、次から書いていこうと思います。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
蜘蛛の巣の様な高速の上 目的地へ5km 渋滞は続いてる
最近エアコンがいかれてきてる
ポンコツに座って 心拍数が増えた
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
車に乗って出かける主人公。
どこに向かっているのかというと、夕食に誘った女のもとです。
心拍数が増えたというのがそれを示しています。
また、蜘蛛の巣の様な高速というところから、主人公は都会で暮らしていることもわかります。
社会人になって 重荷を背負って 思い知らされてらぁ
母親がいつか愚痴る様に言った
「夏休みのある小学校時代に帰りたい」
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
車の運転中、主人公の頭に浮かんでくるのは、普段の仕事のこと。この日も仕事終わりなのかもしれません。
重荷と感じる仕事を背負っていることを考えていたら、母親が昔言っていた言葉を思い出したわけですね。
いや、まさしく。夏休みというのは最高のシステムですよ。そして、毎日楽しいことだらけだった小学校時代。大人って窮屈だな、なんて僕も思ってしまうタチです。
夕食に誘った女の 笑顔が下品で 酔いばかり回った
身振り手振りが大袈裟で 東洋人の顔して 西洋人のふりしてる
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
主人公から誘った女でしたが、期待とは違う人だったようです。
笑顔が下品で、身振り手振りが大袈裟。確かに、いっしょに食事をするだけで疲れそうな女性です。
主人公も楽しめなくて、自分のアルコールばかり進んでしまったのですね。
でも、なんとなく「ああ、こんな女性いるよね」って思えてしまうのがこの歌詞の上手いところ。
僕らは夢見たあげく彷徨って
空振りしては骨折って リハビリしてんだ wow wow
いつの日か 君に届くならいいな
心に付けたプロペラ 時空を超えて 光の射す方へ
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
期待と違う夜を過ごして、主人公の気持ちはグズグズになってしまいました。
夢を見てもうまく叶わない。しかもそれでダメージを負って、でもなんとかまた立ち上がろうとしてリハビリしている。
言い得て妙な表現です。
と、そんなことを思う反面、夢をあきらめてしまうことはなく、いつか想いが届くことを信じて、光の射してくる方を目指していく…!
この主人公の願いと気持ちの強さに心がポジティブにさせられます。
「電話してから来てちょうだい」って
慣れた言い回しで 合い鍵をくれんだ
マスコミが怖いから 結局は 貯金箱の中にそいつをしまった
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
2番の頭のこのフレーズを読むと、「もしかしてこの歌詞は桜井さん自身の話では?」って思ってしまいますよね。
マスコミに追われるのが怖いなんて、一般人の感覚ではまずありません。
ここで、歌詞全体を見渡すと、主人公イコール桜井さんという形も全然あり得るように見えます。
ですが、まるっきり桜井さんの話というよりは、桜井さんが体験したことから派生した想いを綴っているという形なのかと僕は思います。
僕らは夢見るあまり彷徨って
大海原で漂って さぶいぼたてんだ wow wow
もっとこの僕を愛して欲しいんだ
月夜に歌う虫けら 羽を開いて 光の射す方へ
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
大きな夢であるほど、それこそ大海原に放り出されたような感覚になるものです。どっちへ進めばいいかもわからない…
そんな状況は不安です。さぶいぼが立ってしまうような心境になるのもわかります。
虫けらのようなちっぽけな存在だけど、それでも自分の存在を世の中に訴えていることを「月夜に歌う」と表現しています。
海から飛び出し、羽を乾かして広げたら、光の方へ飛んで行こう。
海、虫、月、羽、光、情景が目に浮かぶようで僕も大好きなフレーズです。
散らかってる点を拾い集めて 真直ぐな線で結ぶ
闇を裂いて海を泳ぎ渡って 風となり大地を這う
限りあるまたとない永遠を探して
最短距離で駆け抜けるよ 光の射す方へ
<出典>光の射す方へ/Mr.Children 作詞:桜井和寿
こちらもまた幻想的な歌詞です。
闇に包まれた海に漂いながら、星空を見上げている。孤独と不安のなかでも希望をしっかり探しているという心境が伝わってきます。
「そして必ず目標を見定めて、海を泳ぎ切って、広い大地を踏みしめてやるんだ」という熱い想いもビリビリ感じます。
最後の「最短距離で駆け抜ける」というフレーズも、勢いと爽やかさがあっていいですよね。
僕も何となくのぼやっとした夢ではなく、しっかりと形を見定めた目標を決めて、そこに最短距離で向かうエネルギーを持たなくては…!
学びの一言
世の中は混沌としてつい飲み込まれてしまいそうになる。でも、自分の夢と希望をしっかり見定めれば、いつも自分を持っていられる。
社会には嘘や建前が溢れていますよね。つい飛びついてしまいそうになったり、よそ見してしまったり。でも、そこにはきっと自分が望むものなんて見つけられないんですよね。
自分の望むものは、いつでも自分の中にあるもの。その光をしっかり意識しておけば、不安な夜も、大海原に放り出された感覚になったときも、それが星座のように道しるべになってくれます。
と、偉そうに書く僕にも夢があってその途中です。自分が実現したいことに向けて、迷わず最短距離で取り組んで行こうと思います。不安と迷いに襲われる時間はもったいないですもんね。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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