「BLUE」の歌詞から学ぶ

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「BLUE」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「BLUE」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

待つ恋愛を歌った歌。「BLUE」というタイトルからは、爽やかだったり晴れやかだったりするイメージを持ちますが、歌詞を読むとこの「BLUE」は憂鬱の「ブルー」という意味であることがわかります。

好きな女性の気持ちが“どこかの誰か”から自分に傾くのを待つ男。その重く苦しい気持ちをリアルに描いている歌詞です。

実は、待つ恋愛には実体験があり、個人的に感情移入がとてもはかどる曲なんです。同じく待つ恋愛を経験した方、またはしている方にはぜひ歌詞を味わってもらいたい曲です。

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

待ち合わせの場所へ 向かう車の中で
君の好きな曲 あわてて探した
さりげなく君を 誘うその言い訳を
いくつも用意して ここまでこぎつけたのに
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

“君”と会う約束をなんとか取り付けるため、いくつもの誘い文句を重ねた主人公。

「おいしいって噂のイタリアンの店が気になってるんだ」からの「でも男一人とか男だけじゃ行きにくくて」からの「よかったら今度暇なときに一緒に行ってくれない?」とでもいう、ありきたりでありながらも非常に苦しく、かつ本心が見え見えの誘いだったことでしょう。

そうして何とか実現したデートの日。少しでも彼女に楽しんでもらおうと、カーステレオの曲にも細やかに気配りをする健気な主人公の姿が歌い出しから描かれています。

 

Ah ぼんやり君は 窓の外見てる
You’re waiting someone  You need his love
いつまで ひきずっているの?
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

そんな涙ぐましい努力を重ねて、ついに彼女と会うことができたのですが、悲しいことに彼女は上の空です。

2人きりでいるのにひたすら運転席と反対の窓の外を見ていられるのは、なんともつらいものなんですよね。

でも、主人公は彼女の心の内を知っているのですね。彼女は、誰かを恋しく想い、待っているのです。

彼女の気持ちを待っている主人公。しかしその彼女もまた別の人を待っている。この曲は、そんな切ない構図を描いた曲なのです。

 

友達に君を 自慢してみたいけど
笑顔でいつでも 上手にかわされて
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

この“君”という女性、かなり美人なんだろうな。ということがわかる歌詞です。

友達に「おれはこんな子と一緒にいることができるんだぜ」と自慢したくなるということは、これはもうシンプルに美人だからです。

また、そうして自分の友達に彼女を紹介するという事実を作ることができれば、彼女としても主人公のことを適当に扱いづらくなります。

友達の前にまで一緒に来ておいて、あっさり主人公のことを切り捨てるなんてしたら、その友達に冷たい女だと思われるからです。

主人公が彼女を友達に紹介したい理由は、どちらかというとこちらの方がメインの理由だと思います。

ただ、彼女は主人公のその思惑をいつもうまくかわしているようで、主人公の作戦は未達成のままです。

 

隠し切れない この胸の中
いつも遠くで 君を見ていたから
簡単には諦められずにいるよ
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

この気持ちもよくわかりますね。

どこから見ていたかなんて関係ありません。どのくらいの時間、どのくらいの熱量で見ていたかで、想いの重さは決まって来ます。

そして想いの重さが増えれば増えるほど、当然ですがあきらめるのは難しくなります。

例え限りなく望み薄な恋でも、可能性があるからにはいつか想いが届くと信じたくなるものです。

 

さみしい夜だけ電話くれるのも わかってるから
Ah 悲しみが
また僕の頭をかき回してく
そして 今日も Blue
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

彼女からの電話はもちろん嬉しいはず。

ですが、彼女が突然電話してきたのは、彼女の恋もうまくいっていなくてさみしいから。つまり、今でもまだ誰かを待っている気持ちに変わりがないということです。

さみしいからその気持ちを慰めようと主人公に電話する彼女。なかなかずるい人です。

主人公も、彼女のそんな心境と、自分の置かれている立場をすべて理解しています。だからこそ悲しみにかき回されるワケですね。

そして、Blue。冒頭に書いたとおり、憂鬱のブルーです。

 

それでも いいさ
So I’m waiting for your Heart
<出典>BLUE/Mr.Children 作詞:桜井和寿

最後のこの歌詞がとてもカッコイイです。一気に主人公のイメージが変わります。

Blueな気持ちに襲われる恋だけど、「それでもいい」と言い切る信念。彼女のことはそれくらい本気ということです。

「だから君の気持ちが僕に向くのを待つ」

待つというのはつらいものです。ましてや恋なんてあいまいで繊細で複雑な感情、自分の努力でなんとかしようとするのは至難の業です。

しかし、察しのいいのこの主人公は、そんなことも承知のうえでこれからも彼女を待ちます。

憂鬱なブルーの景色が、爽やかで明るいブルーに変わることを応援せずにはいられません。

 

学びの一言

待つ恋はカッコ悪いようでカッコよく、カッコイイようでカッコ悪い。

待つ恋愛について、僕はこのように考えています。

ずっと1人の相手にアプローチしていても受け入れてもらえずにいる。これはカッコ悪い。でも、自分の気持ちに正直に、ずっと1人の相手を一途に想い続けている。これはカッコイイ。

叶わなくても想い続ける覚悟はカッコイイ。でも、あきらめる勇気を持てないのはカッコ悪い。

たぶん、どれも真実です。どの見方も“有り”だと思います。どの見方をするかは、自分の心だけが決めることができるのです。まあ、そのときどきで揺れ動くんですけどね…。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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