「秋がくれた切符」の歌詞から学ぶ

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「秋がくれた切符」の歌詞学歌詞解釈

Mr.Children「秋がくれた切符」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

⇒歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

秋の風の爽やかさと、どこか物悲しいあの感じと、彩り豊かな情景が優しく描かれた詩ですよね。

哲学的だったり、人間の複雑な感情だったりが描かれた歌詞が多いミスチルですが、この曲はストレートに秋の風景が目に浮かぶソフトな歌詞です。

でもこの歌詞、ちょっと深読みすると、主人公の繊細な心境が深く描かれています。紅葉の始まった並木道を行くカップル(あるいは新婚夫婦)を映像のように思い浮かべて、さあ深読んでいきましょう。

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

風の匂いもいつしか 秋のものになってた
カーディガン着た君の 背中見てそう思う
<出典>秋がくれた切符/Mr.Children 作詞:桜井和寿

秋の風の匂いは僕も大好きです。これから冬に向かって寒くなっていくんですけど、なぜだかワクワクさせられてしまうんですよね。

しかし、そう主人公が感じたのは空気そのものがきっかけではなく、“君”のカーディガン姿だと言っています。“背中”と言っているので、彼女の少し後ろを歩いているでしょうね。

カップルなら横に並ぶのかなと思うところですが、あとでこの位置関係の意味が解明されます。

 

公園の緑は その葉落としはじめて
カバンの中に一枚そっと着地した

神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
でも どこへ行けというんだろう
この葉眺めて思う
<出典>秋がくれた切符/Mr.Children 作詞:桜井和寿

偶然カバンのなかに落ちてきた一枚の葉。これが神様のくれた切符みたいだと主人公は感じるんですね。すごく可愛らしい感性だと思います。

この部分のポイントは、「僕にくれた」ではなく「僕らにくれた」となっているところです。

主人公は、あくまで彼女と一緒にこの神様からの切符を使うんだと考えているのが読み取れます。

これは曲の最後まで一貫しています。主人公にとって、彼女とこれからも過ごしていくことは揺るがないという大前提なんですね。

これがあるから、2人は夫婦という捉え方も十分できるなと考えます。

 

神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
でも なんの褒美なんだろう
今日も喧嘩したのに
<出典>秋がくれた切符/Mr.Children 作詞:桜井和寿

2番のサビの歌詞です。ここで、2人は今日喧嘩していたことがわかります。

最初の「カーディガンの背中」のフレーズについて、僕はカップルなら横に並ぶのが普通かなと思うんだけど…と上に書きました。

そうです。喧嘩していたから横並びじゃなくて縦並びなんです!

彼女が1~2歩先を歩き、少しバツが悪そうにその後ろを歩く主人公の姿がイメージできます。横並びでラブラブって空気感じゃないワケですね。

でも、ここでも神様のくれた切符は「僕ら」にくれたものだと主人公は考えています。しかも、それが「褒美」だとかなりポジティブに捉えています。

その理由も明かされていきます。

 

君はまだ気付いてないんだな
その贈り物に
<出典>秋がくれた切符/Mr.Children 作詞:桜井和寿

最後のサビの後半の歌詞です。

「君はまだ気付いてないんだな」から、葉っぱが着地したカバンは、主人公のではなくて彼女のカバンだということがわかります。

主人公は彼女の後ろを歩いていたから、葉っぱが着地したことに気づいたんですね。

さて、そうすると、主人公がこのただの落ち葉を「神様がくれた切符」とか「褒美」というようにポジティブに捉えていた理由が想像できます。

それは、「葉っぱがカバンに乗ったよ」と彼女に声をかけることができるからです。

喧嘩してるから話しかけづらい…。気まずい…。そう思っていた主人公にとって、彼女のカバンに着地した葉っぱは、自然に彼女との会話を復活させるきっかけとなったんです。

「その切符をあげるから、彼女とこれからもちゃんと歩いて行きなさいよ」と神様に言われた。

主人公はそんなふうに感じ取ったのでしょう。

 

風の匂いもいつしか 秋のものになってた
寒そうにしてる君に 駆け寄り手を繋ぐ
<出典>秋がくれた切符/Mr.Children 作詞:桜井和寿

最後の歌詞です。

駆け寄って手を繋いだ、主人公のもう片方の手は、彼女のカバンに落ちた葉っぱを持っているんじゃないでしょうか。

そして、「葉っぱが乗ったよ」と声をかけてから、仲直りの一言を伝える。

そんな秋のはじまりの日のワンシーン。すごく妄想が爆発してますが、こんな解釈で僕はこの歌詞と曲とを楽しんでいます。

 

学びの一言

偶然を自分にとってポジティブな意味を持つものと捉えるしたたかさ。

これはとても得な考え方だと思います。偶然落ちてきた一枚の葉っぱでも、切符やご褒美と捉える。

偶然というものはなくて、すべての出来事は必然だという人もいますよね。これ、僕はちょっとわかるんです。

というのも、その偶然と思われる出来事に、あとからいろんな意味をつけることができるから。

それはポジティブにも、ネガティブにも捉えられます。どうせなら、ポジティブな意味をつけて思い込みでも楽しく前向きに過ごせたら、これはやっぱり得な生き方だと思うんです。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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