Mr.Children「addiction」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
「addiction(アディクション)」は“依存”という意味の英単語です。
僕もこの記事を書くために調べて知りました。
Google先生に聞いたら、“嗜癖”とか“常用癖”なんて難しい言葉が前面に出てきましたが、そのなかに“依存”という訳がありました。
“依存”と訳すると、この曲の歌詞はスッと意味が通ります。
依存する心と、それと葛藤する心。
その格闘の様子が書かれていたり、また依存というものそれ自体のことを掘り下げて書いている歌詞にも見えますね。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
週末を跨いだ長い連休を前に
街は少し浮き足だって
行楽地を目指して渋滞が始まった
排気ガスを撒き散らして
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
出だしの歌詞です。
最初の3行目までは楽し気な感じの詩ですが、最後の「排気ガスを撒き散らして」がこの楽し気な状況を心から歓迎していないことをにおわせるようです。
windowに移り込んだ男は今
無表情を決め込んで自分を圧し殺してる
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
さらに次の歌詞では無表情という言葉も。そして「自分を圧し殺してる」ときました。完全に何かありますね。
どんなに言い聞かせても
変われぬものがあるよ
欲しくてたまらないよ
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
そしてサビの歌詞です。
ここで何かに依存している心が歌われるワケですが、ここで出だしの歌詞を見ると、この依存心を抑えている状態だから、長い連休も行楽地に向かっていることも楽しく感じられてないのだと想像できます。
ちなみにですが、何に依存しているのか。という疑問についての僕のなかでの解釈は、ズバリ“浮気心”だと思っています。
浮気心だと考えたら、「正規の恋人や家族と行楽地に行くより、浮気相手と行きたい!」という身勝手な欲望を抱えている男の横顔が浮かんでくるんですよね。
ほら 誰かが今日も
それを持て余してるよ
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
これは依存心を持っているけど、解消できずにしまい込んでいる状態を指すのではないでしょうか。
ここでは、“僕が”とか“男が”とかではなく、“誰かが”となっています。
この歌詞、全体的に客観的な視点なんですよね。これは大きな特徴だと思います。
上級者は誰にも感づかれぬように
上手いことやってるらしい
あちら側の自分と
ここで生きる自分を
冷静にコントロールして
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
依存している自分を自覚して、なんでもないように振舞うときと、リミットを外して依存にどっぷりハマるときとをコントロールする。
依存の上級者は、依存している自分を認めつつ、楽しみつつ、それでも世間にはまともな人間として見てもらうために、冷静に自分をコントロールする技術を身に着けているのかもしれません。
そろそろwooferに身悶えて
その衝動が今君の理性をぶち壊してく
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
wooferって何だ?と思ったのでこれも調べました。
低音再生を担当するスピーカーユニットのことらしいです。重低音のように胸の底に響くように湧き上がってくる依存心のことを表現しているのでしょうか。
さぁ 内なる声に
ほら 耳を澄ましてごらん
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この部分の歌詞では、敢えて依存心を抱えている“内なる声”を聞くことを勧めています。
普段は「聞いてはいけない」と抑えん込んでいても、その分、ふとした瞬間に自分が心の奥底に抱える欲望を確認したくなることもあるのかもしれません。
どんなに言い聞かせても
今日は大人しく出来ても
またすぐ欲しくなるよ
more more more!
<出典>addiction/Mr.Children 作詞:桜井和寿
ちょっと間を飛んで最後の歌詞です。
これより前のサビのメロディ部分と同じく、依存する心とそれに流されまいと葛藤する心について表現されています。
歌詞の話ではないのですが、桜井さんの歌い方が「今日は大人しく出来ても」のところでググッと盛り上がる感じがめちゃくちゃ好きです。
学びの一言
依存心って、人間には重要。執着するものや我慢しても気持ちが向いてしまうものって、どこかで持ってないと人生つまらない。
“依存”というと、アルコールやタバコ、浮気の欲求など…よくないものへのイメージがありますが、絶対に譲れない好きなものや、愛する家族への執着というのも、ある意味では依存です。
依存心とうまく付き合い、自分が自分らしく納得いく人生を送るため、普段は胸のうちに秘めていても、ときにはその依存心を解放することも大事なのかなと、そんなことをこの歌詞から学びました。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
コメント
この歌詞は、覚醒剤依存症を想定しているという意見が私の周りではmajorityです。
M4さん、コメントありがとうございます。
そうですか、やはりドラッグへの依存心という解釈が多いんですね。ツアー「Against All GRAVITY」での映像演出的にも、確かにドラッグを示唆しているように感じました。