Mr.Children「安らげる場所」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
スローテンポで落ち着いた、どこか少し暗い印象も受ける曲。ですが、コアなミスチルファンでは結婚式の曲として採用する人もいるそうです。
その理由は、歌詞を読み解くとわかります。大事な人を優しく包み込むような、懐の広さと温かさ。それがこの歌詞の神髄です。
「あなたと一緒にいると感じられる」その場所こそが安らげる場所であり、人生において何より大事な物であるということ教えてくれます。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
僕はなぜ繰り返す別れを受け入れてきたんだろう?
その謎が君と出会い ちょっと解けた
<出典>安らげる場所/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この歌詞、とても共感できます。
今、大切な人と一緒にいるという事実は、過去の人生で起こった出会いと別れが1つでも欠けていたらありえません。
僕は、もう全身がその人を四六時中求めて仕方ないというほど大好きだった女性と、大学のときに付き合い、社会人になったころに別れました。
別れてからたっぷり数年引きずっていましたが、その後ある女性に出会い、30手前で結婚。互いに自然体をさらすことができる、まさしく安らげる相手です。
今の妻と出会ったことで、僕にとってその以前の別れは必要不可欠なものであったと心から感じることができました。
この歌詞の“僕”もきっと同じような心境なのでしょう。
孤独とゆう暗い海に ひとつの灯台を築こう
君はただそれを見ていればいい
一番安らげる場所で
<出典>安らげる場所/Mr.Children 作詞:桜井和寿
灯台とは、“僕”の存在のこと。“君”の孤独の海のなかでも、“僕”がいつでも灯台のようにきちんとそこにいてあげるという“僕”の意志と愛を感じます。
最後の「一番安らげる場所で」というのはどこのことかというと、ひとつは当然“僕”のそばのことになると思います。
しかし、別に物理的に“僕”と離れていても、“僕”という灯台を見てくれているのなら、そこが君にとって安らげる場所だ、というメッセージが含まれているように感じます。
灯台の灯りが見えるというのは、それだけで安心できますもんね。帰るべき場所があり、それがどこか、どこにいてもわかるワケですから。
人はなぜ幸せを闇雲に求めてしまうんだろう?
何より大事な物も守れずに
<出典>安らげる場所/Mr.Children 作詞:桜井和寿
大事な人と一緒にいること。これこそが何よりも大事な物であるはずなのですが、生きているとそれ以上のいろんな物を求めてしまう。これはわかりますよね。思考はどんどん贅沢になっていってしまいます。
その一方で、もともと手にしていたはずの何よりも大事な物がおろそかになってしまう。人間にはそういう傾向があるのです。
今一度、自分にとっての一番安らげる場所がどこかを思い起こしてみること。それが大事なのですね。
この恋の行き先に何があるかは知らない
ただ静かに手を取っては 永遠にと願う
いつも君と二人で
<出典>安らげる場所/Mr.Children 作詞:桜井和寿
どんなに大切に想い合っている2人でも、その未来に何が起こるかは誰にも予測できません。
予期せぬ別れが訪れるかもしれませんし、予期せぬ事件があるかもしれない。
ですが、だからこそ“僕”は願うのです。「永遠に、いつも2人でいたい」と。
そんな心境になる“僕”からは、“君”のことを将来を共に歩む相手として見ていることが明らかです。
結婚式でこの曲が使われるのは、こういった部分からでしょう。僕も使いたかったのですが、季節が十月とはまったく違ったという理由で見送りました。
学びの一言
相手にとっての安らげる場所になるためには、大きな懐と温かさをもって相手を包む存在にならなければならない。
最初の【歌詞全体の解釈】のところにも書いたことになります。この歌詞からは、“僕”の懐の広さと温かさを感じます。
それを相手に伝えられてこそ、「君の灯台になる」というセリフを言うことができるのです。
さらにその根源には、「君と永遠に一緒にいたい」と願う気持ちを持っていること。
もしかして、“愛”というのはこの願いの気持ちのことを言うのではないか…。そんなことに気づかせてくれる温かい歌詞です。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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