Mr.Children「靴ひも」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
歌詞全体から、靴ひもを結ぶのもじれったく、一瞬でも早く会いに行きたいという気持ちが爽やかに伝わってきます。
また、出だしの方では「うだうだしてる」「失いたくない」というフレーズもあり、好きで好きで会いたい気持ちだけでなく、その裏にある不安とか躊躇といったところも表現されています。
恋が楽しいのは、すべてがうまく行っているときのような気もしますが、それよりも、少しの不安や、互いに相手へ気持ちが向かうあのソワソワと落ち着かない感じのタイミングではないかと思います。
そんな複雑で微妙な心境も書かれている歌詞。聞く人それぞれの淡い恋の思い出を掘り起こすこと間違いなしですよね。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
いつまでうだうだしてるんだ
どうすべきかは知ってるんだ
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
出だしの歌詞です。主人公の不安とか迷いが垣間見えるこのフレーズ。
とすると、主人公の“僕”とお相手の“君”は、まだ付き合ってはいないのかな。と想像できますね。
どうすべきか知っていても、それを行動に移せる人と移せない人の差って、ものすごく大きいです。知ってるのは、だいたいみんな知ってますもんね。
実際に行動できないと、状況は何も変わりません。ただの夢のままで終わってしまいます。
君の絵の具で濁った僕がいい
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この表現、大好きです。「これよくわかるな!」って思ってしまうんです。
ある程度大人になれば、自分はこんなカラーの人間だっていうのが自分でもなんとなくわかるものです。そうして自分を保っていたり、反対に縛られていたりして生きています。
しかしそこに、恋をしたことによって相手のカラーがポタポタッと落ちる。そしてじわじわとそこから自分のカラーに滲んで濁っていく。
濁った色は一見きれいな色には見えませんが、それでもそこに混じったのが好きな人の色ならば、そんな僕が最高にイイって思える感覚。共感できますよね!
スーパーの前の歩道に
主人を待つ雑種の犬
ガードレールに繋がれている
君に微笑んで欲しくて
吊り革握っている僕とどこか似ている
そわそわして
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
この部分の歌詞も微笑ましくて最高ですよね。
早く主人に会いたいワンコと、早く君に会いたい“僕”。リードでつながれているワンコと、吊り革を握っている僕。
心境面でも構図的にもよく似てる。なんとも上手い表現です。
また「雑種の犬」ってところがいいですよね。「血統書付きの立派な男でもないけれど」っていうの“僕”の気持ちと掛け合わされています。
愛しくて 苦しくて そして自分を見失って
ウザッたくて 終わらして でももっと 苦しくて
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
愛しくて苦しい、これは恋愛に付きものの感情ですよね。どうしたらいいかわからなくて、ときには自分を見失うこともあります。
そんなのがウザくて、いっそもう全部終わりにしてしまおうかとも思うけど、そうしてみたところで一層苦しさが増して…。そんなジレンマの気持ちですよね。
愛しくて 切なくて 君の色で 濁っている
その部分が 今一番 好きな色 僕の色
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
クライマックスの歌詞です。
先にも出てきたフレーズですが、ここでは“君”の色で濁った色こそが“僕”の色なんだと言っています。もとの“僕”の色はもう過去のものだという域に、気持ちが達しているというワケですね。
「相手の色に染まってしまう」というのはまさしくこういうことですよね。自分からそう言い切る“僕”の潔さと純粋さに、微笑ましい気持ちにされます。
あぁ 一秒でも早く君の待つ場所へ
あぁ 一瞬でも早く君の待つ場所へ
<出典>靴ひも/Mr.Children 作詞:桜井和寿
締めくくりのフレーズはやっぱりこれ。
不安や迷いは行動することでしか拭えません。とにかく今は悩まず、靴ひもを結ぶことも後回しで、走るしかない。気持ちに従って進むしかない。
そんな熱い決意と爽やかさを感じる歌詞です。
学びの一言
靴ひもを結ぶ間に行動する気持ちが鈍ってしまいそうなら、だらしなくても、踏んづけて転ぶリスクがあっても、そのまま走り出してしまう選択をしよう。
君の色で濁った色こそが今の僕の色だと思える人がいるのなら、いきなり告白をすべきとは言わないまでも、具体的なアプローチをしないとですよね。
迷ったり考える時間は大事ですが、それだけでは何も変わりませんからね。一秒でも早く、一瞬でも早く。そう急かす声にも自分の大事な本心が隠れているはずです。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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