「ロザリータ」の歌詞から学ぶ

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「ロザリータ」の歌詞学歌詞解釈

Mr.Children「ロザリータ」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

⇒歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

重く苦しい印象の失恋ソング。そして溢れ出すような生々しさがとても特徴的なこの曲。歌詞にもある通り、“どんよりと重い”色彩に乏しい世界観を連想させられます。

鉛色のモノクロでありながらも、彼女とリアルな思い出がくっきり描写される。

痛い、苦しい失恋を経験した人には重く響く歌詞にだと思います。

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

あまりリアル過ぎぬように
いつの日か笑えるように
君の名は伏せるよ 匿名を使って
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

出だしの歌詞です。ここで「ロザリータ」というのは匿名、というよりは仮名だということがわかります。

フランスとかイタリアとか、その辺りの女性のような名前の雰囲気を感じます。もしかしたら、彼女の風貌からはどこか欧風な空気感が醸されていたのかもしれません。

本名で呼んでしまうと心の傷がうずくから、仮名をつけたのでしょう。最初の設定から主人公が失恋の苦しさにあえいでいることを感じ取ることができます。

 

OH 曇った日の海のようにどんより
重く湿って気怠い 君のキスが胸を離れない
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

リアルです。重く湿って気怠いキスとは…。

この表現で、別れの雰囲気や前兆のようなものをお互いに感じていたことが想像できます。

かつては心が浮き立つような甘いキスもあったことでしょう。ですが、主人公の記憶に濃いのは、この“重く湿って気怠いキス”なんですね。

なんとも切ないです。でも、このリアルな描写と切なさが聞く人の胸に浸みます。

 

ロザリータ 僕のロザリータ
さよならなんて言わないで 恋多き女
ロザリータ 僕のロザリータ
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

続いてこの歌詞もリアルです。未練だらけの男の気持ちが伝わってきます。

彼女の名前を匿名にすることによって、主人公の“僕”は名前を連呼しやすくしたんですね。

彼女は恋多き女性だったんですね。実は、僕も経験があります。失恋した女性が恋多き人だったこと…。そんな女性にのめり込んでしまうと、付き合っているときから気苦労は絶えないもの。

そしてどこかで来ると予想していた通り、その言葉はやってきます。

「さよなら」

 

この部屋の鏡に映る退屈な男
君の部屋の鏡ならマシに見えたのに
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

ここも個人的にとても共感できる歌詞です。…もう桜井さんは僕をモデルにこの歌詞を書いたと思う。と錯覚してしまうくらい。

ここで言う「退屈な男」というのは、退屈を感じている男という意味ではありません。

その男自身が退屈な人間であるという意味です。いきいきしていない、覇気がない。そんなぼんやりした取るに足りない男。

だけど、そんな男も彼女といたころにはマシだったんですね。恋多き女性ですから、魅力的な女性だったのでしょう。そんな彼女が隣にいたころ、この男は輝いていたのです。

でも、それも過去の話。彼女を失った今、落ち込んで退屈な男になってしまったのを自覚して嘆いている。そんな様子と心境が、このたった2行の歌詞でヒリヒリ伝わってきます。

 

甘い言葉 完璧な微笑み
そばかす 唇 下品に濡れる果実
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

ここの歌詞のリアルさのインパクト。強烈です。

“僕”を幸せの絶頂に至らせる「甘い言葉」。そして「完璧な微笑み」。ここまではなんというか、日常のと言いますか、健全な彼女との思い出なのですが…。

その次です。「そばかす」「唇」、そして最後・・・「果実」

このパーツのチョイス、そして順序。完全にもう“あのとき”の記憶ですよ…。だんだん下の方に向かう、この“男のリアルな記憶”。

(・・・ちょっと直接的に書きすぎたでしょうか)

 

OH 曇った日の海のようにどんより
暖かくて凍えそうな 君の肉体 胸を離れない
<出典>ロザリータ/Mr.Children 作詞:桜井和寿

この歌詞で、彼女との関係はもう良好ではなかったというのが読み取れます。

まだつながっているけど、どこかに暗い未来の予兆がある。それが暖かくもあり、同時に凍えそうだという表現につながっています。

そして、胸を離れず記憶に残っているのは、その時期の思い出だったりする。これもなんかわかります。でもなぜでしょうね。

幸せ絶頂のころのことは、覚えてはいるけど記憶に薄いんです。別れてしまっている現実がそうさせるのでしょうか。

 

学びの一言

重く苦しい失恋。幸せで輝いていたころの思い出とのコントラストが、そのつらさを際立たせます。

でも、そんな重く苦しい失恋の経験も、人生の一幕にはあってもいいのかもしれません。

恋愛と失恋は表と裏の関係で切り離せません。それだけつらい失恋を経験したということは、それだけ恋い焦がれる激しい恋をしたということです。

そんな経験がある人生とない人生では、どちらを選びたいでしょうか。

つらくてたまらないときは、心のしたいままに思い出に浸かってしまうのも、僕はいいと思います。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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