Mr.Children「Your Song」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
この「Your Song」は25周年を終えたミスチルが、ファンへの思いを歌った曲という捉え方が一般的です。僕もきっとそうなんだと思っています。
しかし、この記事では敢えて歌詞を額面どおり受け取って、ラブソングとして読み解いていこうと思います。
この歌詞、ラブソングとして捉えても深くて素晴らしい歌詞です。
「Your Song」=「君の歌」と直訳したときに、「君の歌」とはどういうことを指すのか。ここがポイントですね。
僕の解釈としては、歌詞の中で“君”と同じ歌を口ずさむという部分がありますが、ここのことだと思います。
ふと口ずさむようになるまで“君”の中に定着したその歌。これを「君の歌」と表現しているのではないでしょうか。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
君と僕が重ねてきた
歩んできた たくさんの日々は 今となれば
この命よりも 失い難い宝物
<出典>Your Song/Mr.Children 作詞:桜井和寿
ラブソングと捉えると、この歌詞はすんなり入ってくる気がします。
まさにこのとおりで、例えば命を失うか、恋人(夫婦かもしれないけど)との思い出と将来を失うか、どっちか選べと言われたら、悩みますよね。
そしてこの部分の歌詞では、“僕”と“君”がたくさんの日々を重ねてきていることが大前提として示されています。
ふとした瞬間に同じこと考えてたりして
また時には同じ歌を口ずさんでたりして
そんな偶然が今日の僕には何よりも大きな意味を持ってる
<出典>Your Song/Mr.Children 作詞:桜井和寿
サビの部分の歌詞です。そしてここがカギとなるフレーズになります。
好きな相手が同じことを考えていたり、同じ歌を口ずさんでいたりするのに気づいたら、これはたまらなく嬉しくなります。
でも、違う人間同士がこうなるには、ある程度長い時間がかかります。
そこで思うのが、このとき“君”が口ずさんだ歌というのは、もともと“僕”が好きだった歌なのではないか。ということ。
“僕”が好きで口ずさんでいた歌をいつしか“君”が口ずさむようになった。「君の歌」になった。
偶然かもしれないけど、これが2人で長い時間を過ごしてきたことを象徴しているようで、“僕”としてはとても嬉しいし、生きる糧にさえなっているのです。
時に僕が窮屈そうに囚われている考えごとに
なんてことのない一言で この心を自由にしてしまう
<出典>Your Song/Mr.Children 作詞:桜井和寿
どんな一言だったんでしょう。
多分、偉人の名言のような、ドラマのセリフのような、誰の心にも刺さるようなパワーのある言葉ではなく、本当に「なんてことない一言」なんでしょうね。「別に大丈夫だよ!」くらいの。
でも、それが“君”からの声ならば、“僕”の考えごとを吹き飛ばすのに十分なんですね。
何百万人に届く名言よりも、大切な人が自分1人に向けて発してくれた「なんてことない一言」の方が人の心を動かす。
そういうものだと思います。
飛び込んでくる嫌なニュースに心痛めて
また時にはちっちゃな事で笑い転げて
一緒に生きていく日々のエピソードが特別に大きな意味を持ってる
<出典>Your Song/Mr.Children 作詞:桜井和寿
2番のサビです。最後のフレーズ、なんて素敵な言葉でしょう。
誰かと一緒に生きていくというのは、ビッグイベントを次々開いていくというよりも、些細な出来事の連続、そして積み重ねですよね。
そこにきちんと大きな意味を見出すことが、人生を送るうえで大事なポイントなんだと学ばせてもらえる歌詞です。
学びの一言
僕が好きだった歌が「君の歌」になるまで。そのプロセスと、これからも続いていく日々に、何よりも大きな意味を見出している。
そんなちょっと大人の感性を備えたこの歌詞の主人公、“僕”。
この“僕”のように相手との関係を大事に思えることを、幸せというのだと思います。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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