Mr.Children「いつでも微笑みを」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
前向きなタイトルと明るくポップなメロディに対して、歌詞は死生観などヘビーなテーマを扱っているのが印象的な曲です。
しかし、そのヘビーさがあるからこそ、曲の最後では「いつでも微笑みを」という言葉がより深いところまですっと入ってくるのです。
嬉しい、楽しいだけの微笑みよりも、人生のヘビーなところも理解していて、だからこそ微笑みというのは大事だと考えられる方が生き方としては豊かではないでしょうか。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
狭い路地に 黒いスーツの人達
急な不幸がその家にあったという
命は果てるもの 分かってはいるけど
<出典>いつでも微笑みを/Mr.Children 作詞:桜井和寿
歌い出しから人の死というものに触れています。
急な不幸とは、この世に生きる誰もが隣り合わせで毎日を生きています。
週末のよく晴れた気持ちいい日、家族でおでかけするのに僕が運転する車は、国道沿いのセレモニーホールを通ります。そんな日にもそのセレモニーホールでは葬祭が行われていたりするんですよね。
命はいつか果てるものであり、そのタイミングはまったく読めない。死というのはそういうものなんですよね。
何もかも思い通りになったとしても
すぐ次の不満を探してしまうだろう
決して満たされない 誰かが傷付いても
<出典>いつでも微笑みを/Mr.Children 作詞:桜井和寿
続いて人間の欲求について触れています。
欲求は人間が生きるうえでのモチベーションだと思いますが、それだけにキリがありません。
多分、宝くじに当たっても「もっともっとあれもこれも手に入れたい」と思うだろうし、幾人もの美女を手に入れられるほどモテたとしても、「あの子も気になるな」という気持ちに終わりはないでしょう。
欲望を満たす過程で誰かを傷つけていたとしても、そんなことは見て見ぬフリで突き進む。人間の欲にはそういう独善的なパワーがあるのです。
いつでも微笑みを
そんな歌が昔あったような
今こそ その歌を
僕達は歌うべきじゃないかなぁ
<出典>いつでも微笑みを/Mr.Children 作詞:桜井和寿
サビの歌詞です。
いつ死に出くわすか分からない人生。そして、他人を顧みない欲求。そんな僕たちだからこそ、いつでも微笑みを大事にして生きることが必要なんじゃないか…。という想いが描かれています。
このサビのフレーズが特にそう感じるのですが、この曲の歌詞は作詞した桜井さん自身の経験や考えなのではないかという雰囲気を感じます。
もし僕がこの世から巣立って逝っても
君の中で僕は生き続けるだろう
そう思えば何とか やっていけそうだよ
<出典>いつでも微笑みを/Mr.Children 作詞:桜井和寿
歌詞に桜井さん本人の想いが込められているとすれば、ここでいう“僕”は桜井さんと考えることができます。
例えば桜井さんがいつか果てる命のもと、この世からいなくなってしまった場合でも、すでに世の中にたくさんの歌や言葉を残しています。その曲たちを聞いてもらうことで、それぞれのリスナーの中に桜井さんはずっと生き続けることができる。そう思っているワケですね。
また、ここの“僕”は僕たち誰にでもみんなに当てはまることとも取れます。僕たちがもし死んでいなくなってしまったとしても、家族や恋人など、かかわりの深い人物の心のなかにはずっと生き続けることができるはずです。
そう考えると、それはとても励みになります。同時に、少しでもいいイメージでその人の心のなかに生きたいなと思いますよね。
そう だからいつも いつでも微笑を
いつでも微笑を
いつでも微笑を
<出典>いつでも微笑みを/Mr.Children 作詞:桜井和寿
そう、それならば、近しい人の心や記憶にいつまでも生きるのならば、明るく笑っているイメージで生きていたいですよね。
いつでも落ち込んで暗い感じだったとか、人に対して不信感をばらまく嫌な奴だったとかというイメージでインプットされてしまうのは嫌です。
だから、今のうちからいつでも笑顔で生きて行かないと…!
そんな捉え方で、僕はこの曲を聞いています。
学びの一言
微笑みを心がけて毎日を生きれば、自分の周りにハッピーにたくさん気づくことができるはず。
これは僕の実感も踏まえて言っているところがあります。もともとすごくネガティブで落ち込みやすかった僕は、やっぱり周りを見渡しても落ち込んでしまう原因になる事柄で埋め尽くされていました。
しかし、あるきっかけで自分に自信を持ちたいと考え始め、少しずつネガティブなところを新ため、ポジティブに物事を捉えようとし始めたところ、急に自分の周りに素晴らしいことや嬉しいことが現れ始めたのです。
恐らくこれらの嬉しいことは、急に現れたのではなく、今までもそこにあったのです。ネガティブで鬱々とした思考が、その事柄を見えなくし、逆に不幸な出来事をたくさん見せるようにしていたのです。
この曲にあるように、いつでも微笑みをもって生活することは、さらなる微笑みを運んできてくれるのではないでしょうか。そんな微笑みのスパイラルの中で人生を送り、やがて終えたいものです。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
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