「虜」の歌詞から学ぶ

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「虜」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「虜」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

歌詞全文はこちらを参照(J-Lyric.net様)

 

歌詞の登場する“君”は特定の恋人がいながらも、主人公と浮気をしている女性です。

主人公は自分が浮気相手であるとわかっていながらも、“君”に根っから惚れこんでいる。こんな構図が読み取れます。

“君”の正規の恋人になることを切望するも、“君”の方は優柔不断な態度。それに対して主人公は少し歪んだ愛情も抱きながら、彼女を心から求めています。
 


 

歌詞の深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

雄弁に喋れば喋るほど
慎重な君はまた身構える
どうなってんだ?分かってくれやしない
本当の俺を
<出典>虜/Mr.Children 作詞:桜井和寿

2人で過ごす時間に、主人公は君との将来について明るい展望をペラペラとしゃべっていたのでしょう。

しかし“君”はそれに乗ってこない。むしろ一歩引いて身構えているとう状況です。わかりやすい愛想笑いやちょっと困ったような表情をしている彼女の様子が浮かんできます。

その“君”の様子を主人公は敏感に感じ取り、「自分はこんなに本気なのにわかってくれない」と失望と怒りが混じった感情を抱えています。

 

金曜日に奴に会ってきたろう?
簡単に別れ切り出せたの?
どうだったんだ 把握していたい
最低な君を
<出典>虜/Mr.Children 作詞:桜井和寿

奴というのは“君”の正規の彼氏のこと。別れ話をしてくることを主人公とも話していたのでしょうか。とにかく別れ話がちゃんとできたのか、それが気になって仕方がない主人公。

実際恋人に会ってみると切り出せなくてうやむやになってしまった可能性も高いし、まったく逆に愛し合って過ごしてきたのかもしれない。

“君”の様子からはそれが読み取れないのです。

浮気する。別れ話はすると言ってしない。結局現在は恋人とどういう関係になっているのか曖昧にする。そんなところを全部ひっくるめて「最低な君」と主人公は表現しています。

 

狂った様に抱きしめ合った後で
胸の奥が軋むよ
滅茶苦茶に傷つけてみたい気分
無謀なのは承知だぜ だけど傍にいたい
愛を信じたい
<出典>虜/Mr.Children 作詞:桜井和寿

2人愛し合った後の、主人公の心境が描写されています。

“君”が自分のことをどのように思い、どのように扱おうとしているかが信じられないので、心が満たされることはなく、逆に苦しい気持ちになるのですね。

その苦しい気持ちを君にぶつけたくなり、めちゃくちゃに傷つけたいと思う…。彼女に自分のつけた傷跡を残してやりたいという乱暴で歪んだ愛情が湧いてきてしまうのでしょう。

最後の「愛を信じたい」という一言。主人公が信じる愛とは、いったい何を指しているのか。「愛」と言ったとき、この2人の認識は少しずれているのではないかという気配を感じてしまいます。
 


 

優しさに飢えて見えるのは多分
卑屈な過去の反動
孤独な少女を引きずってんだろう
不能になるまでずっと束縛されてたい
<出典>虜/Mr.Children 作詞:桜井和寿

“君”には昔、卑屈な性質になってしまうような出来事があったようです。

「孤独な少女」とあるので、家族関係に恵まれないとか、友達関係に恵まれなかったとか、そういうことなのでしょうか。きっとそんな孤独な過去を含めて、主人公は彼女を愛しているのです。

彼女の孤独な思いを自分が消してあげたいと思っているのか、はたまた孤独な過去から醸される独特の魅力を愛しているのかはわかりませんが。

 

寝ても覚めても
君が離れない
虜となって天国へと昇ろうか
<出典>虜/Mr.Children 作詞:桜井和寿

寝ても覚めても相手のことが頭から離れない。こんな気持ちになる恋は、幸せなようですが、実は同じくらいつらいことです。

相手に受け入れてもらえないと、その想いの分だけダメージを受けます。受け入れられたとしても、今度はその関係がいつか壊れてしまうのではないかと不安になるつらさもあるんですけどね。

とにかく、この主人公は君の虜になってしまったのです。どのように扱われるかはもう彼女の心のままです。

 

学びの一言

誰かを強烈に愛したり求めたりすることは、相手に自分の心を差し出すこと。その心をどう扱うかは相手次第。虜になるとは、そういう運命。

笑顔で受け取ってくれるかもしれない。迷った結果、とりあえず受け取ってくれるかもしれない。あるいは、ぐしゃっと潰して捨てられるかもしれない。

リスクはあるけど、そのリスクを冒してまでも誰かを愛さずにはいられない。それが人間の性ですよね。

 

▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。

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