「others」の歌詞から学ぶ

「others」の歌詞から学ぶ歌詞解釈

Mr.Children「others」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。

歌詞全体の解釈

まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。

 

この曲のタイトル「others」は、文字通り“他人”という意味。

キリンビールのCMで使われていた部分からして、完全に「熱々の2人の歌」だと思われたので、この曲が失恋ソングであることに驚いたのは絶対に僕だけではないはず。

この歌詞の主人公は、好きだった女性の二股の相手にさせらています。

歌い出しでは恋人同士の熱い関係を歌った歌かと思いきや、後半で“他人”の示す意味がわかったときには、切なさと悲しみで胸がいっぱいになります。

彼女に受け入れられ、幸せを味わったのも束の間。別の男性の存在が明らかになり、衝撃と気まずさのあまり、部屋をそそくさと部屋を出て行きます。

その後にやってくるやりきれなさ。でも、主人公としてはそのひとときの記憶を大事にしたいと思っているところも見受けられます。それの姿がなおさら切なさを感じさせます。

 

歌詞全文(引用)

君の指に触れ
くちびるに触れ
時間が止まった

硬い氷は溶け
身体中を滑る
2人の熱で

何が起こったの?
しばらく何も考えたくない
窓の外の月を見てる

まるで近未来の映画のよう
アンドロイドが
感情なんかなく
ただ互いのエネルギーを
吸い合うように

意味はあるだろう…
たけど深く考えられない
気まずさでビール口に運んだ

テーブルの上の灰皿
アメリカ史紐解く文庫本
それはきっと彼のもの
「そろそろ行くね」って僕の
言葉を待っていたかのよう
無駄のない動きで君は そう僕に手を振る

「すぐ捕まるさ」
そう言いながらスニーカーを履き
タクシーに向けて僕は走った

ベッドで聞いていた blues
誰の曲かも君は知りはしない
きっと彼の好きな曲
愛し愛されてたとしても
そう感じられるのは一瞬で
その一瞬を君は僕に分けてくれた

君の胸に触れ
くちびるに触れ
時間が止まった

硬い氷は溶け
身体中を滑る
2人の熱で

何が起こったの?
このまま何も考えたくない
25時の首都高に輝く
窓の外の月を見てる

<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

※歌詞のなかの「たけど」は「だけど」の誤植と思われますが、引用であるため、歌詞カードのとおり記載しています。

 

 

歌詞の意味を深読み

ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。

 

君の指に触れ
くちびるに触れ
時間が止まった

硬い氷は溶け
身体中を滑る
2人の熱で
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

繊細で美しいメロディーで始まる歌い出しの歌詞。

“君”に触れた夜。彼女に受け入れてもらうことができ、熱い時間を過ごしたことを、主人公はとても幸せに感じているのがわかります。

「硬い氷」とは、それまで主人公に心を閉ざしていた彼女のこと。それがこの夜に溶け、2人は結ばれたのです。

 

何が起こったの?
しばらく何も考えたくない
窓の外の月を見てる
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

しかし突然、不可解な「何が起こったの?」という歌詞が現れます。

思考を停止して、外の月を見ているという主人公・・・

僕の解釈の結論から言うと、このとき、彼女のもとに本命の男性から連絡が入ったのです。

電話か、あるいはLINEなどのメッセージか。彼女の反応や急変した様子から、主人公はそのことを悟ったのです。

あまりの衝撃に「しばらく何も考えたくない」と感じている主人公。それはそうですよね。

 

まるで近未来の映画のよう
アンドロイドが
感情なんかなく
ただ互いのエネルギーを
吸い合うように
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

あっけに取られた主人公の思考は、しばし現実を離れます。

「なんでそんなこと(浮気)をするのか・・・」彼女の思考が理解できない主人公には、感情のないアンドロイドが互いにエネルギーを吸い合い、消耗していくイメージが浮かんできます。

 

意味はあるだろう…
たけど深く考えられない
気まずさでビール口に運んだ
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

しかし主人公は大人です。きっと彼女には彼女なりの意味があって、今夜自分を部屋に招いたのだと解釈しようとします。

だけど、それが一体どんな意味なのかわかるワケもなく、また状況は非常に混沌としており、気まずくてビールを口に運ぶことでしか時間の過ごし方が見つけられなかったのです。

 

 

テーブルの上の灰皿
アメリカ史紐解く文庫本
それはきっと彼のもの
「そろそろ行くね」って僕の
言葉を待っていたかのよう
無駄のない動きで君は そう僕に手を振る
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

よく部屋を見ると、本命の彼のものであろう物が目に入ります。(部屋に来たときには舞い上がっていて気づかなかったんですね。そんなことを思うと余計に気の毒になります)

彼女がタバコを吸わないこと、アメリカ史になんて関心がないことくらいは、彼女を想っていた主人公としては知っているでしょう。

空気を読んだ主人公は、帰ることを彼女に告げます。

彼女の反応と言動から、その言葉を彼女は待っていたように主人公は感じます。

彼女もまた、他に男がいることを主人公に悟られたと思っているため、気まずかったことでしょう。

 

「すぐ捕まるさ」
そう言いながらスニーカーを履き
タクシーに向けて僕は走った
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

遅い時間だけど、タクシーはすぐ捕まる。…かどうかは知らないけど、とにかくこの場を立ち去りたいという気持ちの主人公はそう言います。

部屋をあとにして走る主人公の気持ちはどんなものだったのでしょう。想像するだけで深いダメージを負ってしまいそうです。

 

ベッドで聞いていた blues
誰の曲かも君は知りはしない
きっと彼の好きな曲
愛し愛されてたとしても
そう感じられるのは一瞬で
その一瞬を君は僕に分けてくれた
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

「そう言えば、聞いていたブルースは彼女の嗜好とは違うものだった。あれもきっと本命の彼の好きな曲なのだろう」タクシーに乗り、ぼんやりと思考する主人公。

しかし、主人公には彼女のことをポジティブに捉える考え方も浮かびます。

愛した人が、一瞬でも自分のことを愛してくれた。その一瞬という時間を僕に分けてくれた。

これは、どうなんでしょう。傍から見れば痛々しい考えにも感じます。

でも、もしこれが自分の身に起きたことだとしたら、僕も同じことを考える部分があるかもなぁとも思うのです。

それだけ好きな相手だったのですね。でもそれだけにつらい状況・・・。二重の意味で罪な女性です。

 

君の胸に触れ
くちびるに触れ
時間が止まった

硬い氷は溶け
身体中を滑る
2人の熱で
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

主人公は依然としてぼんやりとした頭の中、ついさっきの記憶を蘇らせます。

確かに存在した結ばれた時間・・・

 

何が起こったの?
このまま何も考えたくない
25時の首都高に輝く
窓の外の月を見てる
<出典>others/Mr.Children 作詞:桜井和寿

しかし、現実は本当に残酷なものでした。

未だに信じられない気持ちのある主人公。当然でしょうね・・・

「25時の首都高」というフレーズと、月を見る主人公の姿が心に刺さります。

 

 

歌詞解釈からの学び

恋の喜びの瞬間と残酷さ。恋とは、この2つがセットで販売されているのかもしれない。

この歌詞の主人公の身に起きたことは、極端な例かもしれません。

でもきっと、世の中にはもっとすごい例を持っている人もきっといることでしょう。かく言う僕も、まずまずえげつないの経験を味わっていたりします。

でも、大なり小なり、喜びと残酷さの2つは1つの恋にも付きものではないでしょうか。喜び100%の恋なんて、きっとないでしょう。

だからこそ人は恋に惹き込まれ、振り回され、そしてまた惹き込まれていくんですよね。

 

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▼こちらも「SOUNDTRACKS」の収録曲。ぜひ読んでみてください!

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コメント

  1. たくぼん より:

    この曲を聴いた時「クラスメイト」が重なりました。

    • Mr.かぷちーのMr.かぷちーの より:

      たくぼんさん、コメントありがとうございます!
      確かにシチュエーションが似てますね。どちらも彼女に本命の彼が別にいる設定ですし。
      部屋で別れるというシーンも同じですもんね!

  2. 如月 より:

    ファン歴かれこれ25年になります!
    このothersと同じ経験をしたばかりで、聞いていて涙が止まりませんでした。
    桜井さん、どうしてこんなにも
    複雑な気持ちを言葉にするのでしょうね、、。
    一瞬でも愛を貰えたこと
    ミスチルのファンでいたこと
    全て、これで良かったと
    思えた瞬間でした。。涙

    このアルバムはどの曲も
    刺さりますね、、

    • Mr.かぷちーのMr.かぷちーの より:

      如月さん、コメントありがとうございます。
      「others」と同じ経験ですか・・・それはつらかったですね・・・
      全て良かったことと思える如月さんは素敵な人だと思います。
      少しでも早く心が癒えることをお祈りしています。

  3. T より:

    こんにちは。同じMr.Children好きとしていつも参考にさせて頂いております。

    othersが好きなので拝見させて頂きました。こういう解釈もあるのだな!と思いつつ、今回に関しては、文脈としてあまりにも不自然では?と感じてしまいました。

    1.具体的には「何が起こったの?」ですが、これは単純に、直前の「君の指に触れ…時が止まった」に対する主人公の反応と捉えるのが文の流れとして自然ではないでしょうか、、?というかわたしにはどうひねっても他の意味での理解は難しかったです。

    他の誰かから連絡が入ったならさすがにそれを一言描写すると思います。

    「刹那的な行為に驚き戸惑いつつ、その意図を考えようとする自分も居るし、この身体を滑る愉悦に、何も考えず浸りたい自分もいる。」この位が文章の理解としては自然かなと思います。

    以下は私の解釈なので蛇足ですが、さらに言うと
    そうしたなんとも言えない距離感の「他人同士」が肌を合わせる行為を「近未来のアンドロイド」という言葉で象徴的に比喩しているのではないかなと思いました。

    2.また、「それまで彼の持ち物が目に入らなかった」というのも不自然過ぎるかな、、?と。「何が起こったの?」という驚きの理由は2番で明かされ、彼女にはパートナーがいて、それを僕も知っていた、だから驚いたということかなと。
    (私は彼女は既婚者という設定で聴いています笑)

    3.そして1.を失恋の驚きとして捉えると「愛し愛されてたとしても〜」の部分があまりにも陳腐になりませんか??

    管理人さんも「痛々しい」と書かれてますが、そこだけ急に超ポジティブで。確かに混乱の最中を示してるのかもしれませんが、、。

    以下は私の解釈ですが、

    「彼女と僕」は「他人」だけれど、(愛し合っている)「彼女と彼」もまた「他人」であって、愛というのはよく考えれば一瞬一瞬の感情であって、彼女は今日、その一瞬だけでも僕に分けてくれた(その瞬間だけは「他人」じゃなかったのかもしれない)のだと。

    それに何か彼女なりの意図はあるかもしれないし、ないのかもしれない。だけど今は、どちらでもいい。

    …位に深めにとってもいい箇所かなと。

    4.最後に曲全体として。
    このサイトの趣旨には外れるかもしれませんが、この曲が「大人(同士)の恋愛」を歌ったものであることに疑いはないと思います。

    それにしては、「二股していて本命じゃない方を呼び出した女性」「それを知らずにのこのこと誘いに乗って衝撃を受ける男性」ってお互い大人なのか、、、?と思ってしまいます。

    以下は私の解釈ですが、

    彼女そして僕は「他人同士」だけど、ふとしたきっかけでそれを超えてしまう夜も、長い人生の中で一度や二度は有るかもしれない。

    そこには氷が溶けるような熱も確かにあるけれど、無駄のない(アンドロイドのような!)動きで見送り、見送られるような分別もある。

    お互いそんな「大人」だからこそ起きたことを胸に秘めたまま生きていく、それぞれの日常に戻っていく(もしかしたら「僕」は二人のストーリーにずっと幕を下ろせないのかもしれないけれど。。)。
    という、切なさを描いた曲なのかなと私は思いました。
    いかがでしょうか?気になった点などあればぜひお返事お待ちしております。

    • Mr.かぷちーのMr.かぷちーの より:

      Tさん、コメントありがとうございます!
      いつも見ていただいているとのこと、非常にうれしいです。
      また、こんなにも熱くご自身の解釈を書いていただいたコメントは初めてでした。本当にありがとうございます!
      Tさんの解釈、「なるほどなぁ」と何度も読み返し、感服いたしました。特に、「アンドロイド」の部分の解釈です。「距離感のある「他人同士」が肌を合わせる行為」というのがとてもわかりやすいですね。実はここが一番悩んだので(笑)

      この「others」は「SOUNDTRACKS」のなかでも一番解釈の仕方が幅広いだろうな。と思っていた曲です。
      私自身も、どうやって解釈すべきか、一番悩んで悩んで書いた曲でした。その結果、不自然を感じた部分があったというご指摘もありがとうございます。
      とりわけ難しいのが、「主人公と彼女の間柄が、どのくらいのものなのか」というポイントですよね。
      これによってかなり解釈も変わってくると思っていました。
      歌詞の物語に余白や聴く人によっての解釈の幅を持たせるのも、桜井さんの意図なのでしょうね。

      私としては、「2人は互いに独身者。知り合ってそれなりの期間があり、何度か2人で会うこともしていた間柄。主人公は彼女のことをいろいろ知って恋心を抱いていて、彼女の方もまんざらではない感じ。でも、彼女は本命の相手がいることだけは隠していた」という設定で聴いています。
      歌詞の物語の場面も、2人で食事などを楽しんだあとに、彼女から「ウチへおいで」と誘われた流れなのだろうと想像しています。

      同じ曲と歌詞を味わっていても、解釈がここまで違うというのが、妙があって楽しいなと感じさせていただきました!
      改めまして、熱いコメントを頂戴しまして、感謝申し上げます。

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