Mr.Children「クラスメイト」の歌詞の意味と解釈を書いて行きます。
歌詞全体の解釈
まずはこの曲の歌詞全体の解釈から。
オシャレな雰囲気のメロディーに乗って、サビだけを聞くと「元クラスメイトと再会して恋に発展」という、誰もが一度は憧れるシチュエーションの曲に聞こえます。
しかし、歌詞全体を見ると、彼女には彼氏がいて、“僕”は浮気相手であることがわかります。
歌詞を見るだけではっきりわからないのですが、僕が気になることは、再開して付き合うようになったとき、“僕”は彼女に彼氏がいるのを知っていたのかどうか、ということ。
おそらく、
①再会して恋に落ちる
②彼女には彼氏がいることを打ち明けられる
③でも、“僕”の気持ちはもう止められなかった。
という感じだろうとは思うのですが。
そんな“僕”がいる一方で、彼女の方は彼氏と別れるという選択肢は取れないままでいる感じですよね。
歌詞を上から読んでいくと、日曜の朝から会うことはできない事情があるということ、3時にやっと会えて遅めのランチを食べる。
夜はそのまま過ごして、月曜の朝にタクシーで彼女が帰っていく。それがたまらなく寂しいと歌っていますから。
「恋は落ちるもの」だし、落ちてしまったからと言って一筋縄ではいかない事情があるときも、そりゃありますよね…。
歌詞の深読み
ここからは歌詞を抜粋し、独自解釈の深読みをしていきます。
多忙な仕事あっての優雅な暮らし
なのにやり切れぬ oh sunday morning
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
多忙、優雅、という言葉から、“僕”はいわゆるエリートなのではないかと読み取れますよね。
大手企業でバリバリ働いて出世街道を進んでる。そして、容姿もイケメン。そんな“デキる男”なのではないかと僕はイメージします。
なのに…そんなエリートなのに。恋愛においてはやり切れない思いをして苦しんでいる。
これがやり切れぬというフレーズから読み取れます。
エリート肌の“僕”だけど、彼女の本命彼氏にはリードを許しているしまっている。という構図がうかがえる出だしです。
陽は傾き街は3時
少し遅い君とのランチ
後ろめたさで微かに笑顔が沈んじゃうのは
仕方がないけれど
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
「3時」と「ランチ」の絶妙な韻の踏み方がオシャレなこのフレーズ。
出だしのフレーズから、この日はsundayです。日曜日の昼下がりも終わる3時になり、やっと彼女と会えたことがわかります。
おそらく…土曜から日曜に午前にかけて、彼女は本命彼氏といっしょに過ごしていたのでしょう。
だからこそ彼女が背景に抱える“後ろめたさ”。待ち焦がれた彼女に会ったけど、その彼女の沈んじゃう笑顔を見る“僕”の気持ちはどんなものでしょう。
3ヵ月前の再会から 思ってもないような急展開
今じゃもっと彼女に恋をして
もう振り出しに戻れるわけない
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
ここで2人に何があったのか、ネタ晴らしの歌詞が入ります。
再会から3ヵ月。懐かしさから燃え出したお互いへの興味は恋心に急発展。その想いはどんどん強まっていく。…そんな感じなんでしょうね。
振り出しには戻れないと言っているので、“僕”がこの切なさに本当に悩んでいるのがわかります。
戻りたくなんてないけど、戻れればこんな思いはしなくて済むのかな。なんて考えているワケですね。
もう時期来る君のBirthday
迷わず僕だけを選んで
ごめんよ いつも困らすばかりで
しばらくは彼の話はやめとこう
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
もうなんだか、ランチも食べ終わるタイミングで、「今度誕生日だよね。おいしいイタリアンの店があるんだ。そこで俺にお祝いさせてよ」って切り出す“僕”が浮かびます。
「彼氏じゃなく、僕を選んでくれ」という話をするのは初めてではないのですね。そのたびに彼女を困らせてしまっているようです。
そして僕が個人的に気に入っている箇所がココ。
「しばらくは彼の話はやめとこう」という歌詞、「しばらく別れの話はやめとこう」とも取れるんです。歌詞を見ないで歌を聞いているだけだと。
これは桜井さんの狙いだったりするのでしょうか。ちなみに僕はずっと「別れの話」だと思っていました。
明け方の歩道「じゃね またね」と彼女
走り去るTAXI
マンションのベランダに立って手を振る僕
たまらなく寂しい
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
切なさマックスの部分ですね。
もう、描写がオシャレ過ぎです。舞台が都会だという感じもしますよね。
そしてついに漏らしてしまう本音…。「たまらなく寂しい」の一言。
そして今日も街は動き出す
行き交う人並み
from sunday night to monday morning
<出典>クラスメイト/Mr.Children 作詞:桜井和寿
月曜の朝になり、彼女は帰って行ってしまいました。日常に…。本命彼氏のいる日常に…。
街は動き出し、人波も行き交う光景。すべてが日常に戻っていくのを感じている“僕”がくっきり描かれていますよね。
ここで出だしの歌詞を思い出しましょう。
僕の日常にはまた「多忙な仕事」が待っています。彼女の日常には、本命彼氏が待っています。ああ、なんと切ない。
学びの一言
浮気相手を請け負うというのは、日曜日に夢のような時間を過ごし、月曜日に魔法が溶けるような感覚なのでしょうね。
夢のような時間を過ごしたあとに日常に戻されるのは、強めのボディーブローを入れられるようなものですね。ガツンと来てあとにもじわじわくるツラさ。
もちろん僕は浮気の経験はないですよ。
けだるいようで、サビの部分では盛り上がりもあるメロディ。それにこれらの歌詞が溶け込んでいる、僕のもっとも大好きな曲のひとつです。
▼「重力と呼吸」までの“全曲”詩集。冒頭の桜井さんの作詞に対する熱い想いが超貴重です。
コメント